衆議院議員「義家弘介」OFFICIAL WEB SITEより
文科省の前事務次官・前川喜平氏の証言に、菅義偉官房長官が公の場で正気とは思えない個人攻撃を連発するなど、全面対決となってきた加計学園問題。そんななか、文科省幹部からまったく別の意味で、情けなくなるような答弁が飛び出した。
25日の参院農林水産委員会で、自由党の森裕子議員から情報公開のあり方について追及された、義家弘介文科副大臣だ。義家副大臣は事務方が用意した書類を読みながら、情報公開法第2条第2項について説明し始めたのだが、その条文にある「行政文書」の定義について、こうまくしたてたのである。
「まず前提として職員が単独で作成し、または取得した文書であって、もっぱら自己の職務の遂行のビン、ビンセンのためにのみ利用し、組織としての利用を予定していないもの、あるいは職員が自己の職務のビンセンのために使用する正式文書と重複する当該文書の写し、職員の個人的な検討段階にとどまるもの、などは『組織的に用いるもの』に該当しないという解釈、これも正式にでているものでありまして(略)」
ようするに義家副大臣は、“省内職員の個人的やりとりに関する文書は「行政文書」にあたらないので公開する必要はない”という屁理屈をこねているのだが、いや、その前に「ビンセン」って、なに? 手紙の便箋? 官僚が書類を便箋に使うのか? ……というか「自己の職務の遂行の便箋」って日本語として意味不明だろう。
実は義家副大臣が、「ビンセン」としきりに言っていたのは、「便宜」(べんぎ/びんぎ)のことだった。「ビンセン」と2回も繰り返したところをみると、どうやら義家副大臣、46歳までずっと「便宜」を「ビンセン」と読むのだと勘違いしてきたらしい。そういえば、義家副大臣は以前も国会で「世界各地にデジを持つ様々な民族が含まれている」と「出自」(しゅつじ)を「デジ」と読んだこともあった。
この人、元教師で、「ヤンキー先生」とかなんとかもてはやされてきたはずなのに、生徒たちは大丈夫だったんだろうか……。さっそくネット上で「教師びんせん物語」(笑)などとからかわれている義家副大臣だが、しかし、笑えないのは、こんな漢字の読み方も知らない人間が、常用漢字を選定し、学校での漢字教育の方針を決めている省庁のナンバー2で、常々「日本の伝統を教育しろ」などとがなりたてているという事実だろう。