ロマン優光やケラリーノ・サンドロヴィッチも共謀罪に警鐘を鳴らす
掟ポルシェとともにロマンポルシェ。として活動し、プンクボイ名義でソロとしても音楽活動を展開しているロマン優光はツイッターでこのように警鐘を鳴らす。
〈共謀罪の怖いところは、政権担当しているグループが恣意的に自分たちの都合の良いように気に食わない人間を逮捕できる可能性があるからで、あれが通ったからといって今すぐ独裁国家になるとかはさすがにないと思うが、将来的にそれが可能になる要因を残すことは非常に危険だ〉
〈あれは別にサヨクとか反日とかいったものを取り締まるものではなくて、政権にとって都合の悪いものを取り締まるものなわけだから、適応される対象は政権担当するグループのその時の都合によって変わるし、政権担当するグループがいつまでも同じだとも限らない〉
日本が民主主義を標榜する国であるならば、「共謀罪」なんて法案が通過することは決してあってはなってはならないのだが、ご存知の通り国会ではまともな議論がなされていないまま法案がゴリ押しされている。金田勝年法務大臣は稚拙な答弁を繰り返し話は二転三転。その当然の結果として、「共謀罪」の内容について国民の周知が行き届いたとは言い難い。
しかし、それでも法案は政権与党の数の暴力でどんどん先へ進んでいく。そういった状況を見て、劇作家でミュージシャンのケラリーノ・サンドロヴィッチも警鐘を鳴らす。
〈断固、サミットへの手土産なんかのために共謀罪を強行採決されてはならない。賛成の方もどうか急がず慎重に。納得のいく根拠はなにひとつ明確に示されていないのだから。とんでもない未来が待ってるかもしれないのだから。〉
この「共謀罪」は、2003年、04年、05年と、これまで三度も廃案となっている法案だが、今回「共謀罪」が審議入りされるまでの議論はまさしくメチャクチャなものだった。
政府は国際組織犯罪防止条例を批准するためにこの「共謀罪」が必要だと説明。これがなければ東京オリンピックにおけるテロ対策が十分に行えないとしている。条約批准にあたっては現行法で十分であり、新たな法整備が必要という主張が完全な嘘っぱちなのは先に述べた通りだが、たとえその政府の主張が正しかったとしても、そもそもそんなリスクの高いスポーツイベントを開催する必要性が本当にあるのか? それでなくとも、五輪招致の演説に際して福島第一原発のことを「アンダーコントロール」だのと、世界に嘘をばらまいて呼び寄せたオリンピックである。