昭恵夫人と籠池夫妻の記念写真を近畿財務局職員が「局長に見せなくては」
さらに籠池前理事長は、もうひとつ重要な証言を行っている。2014年4月に塚本幼稚園を訪問した昭恵夫人を小学校建設地に案内した際に撮影した籠池夫妻とのスリーショットの写真を、その直後、近畿財務局に「見せてくれ」と求められ、写真を渡したというのだ。
籠池前理事長によると、近畿財務局の担当者は、昭恵夫人と森友学園の関係について「それって何か写真でもあるんですか?」と尋ねた。籠池前理事長いわく、「だから写真を見せてあげた」。すると、スリーショットを見た近畿財務局の担当者は「これは局長にも見せておかなあかんことなんで」と話し、「コピーしてもいいですか?」と言ったのだという。
「(昭恵夫人が)それだけ我々に熱心にね、対応していただいているという証拠付けじゃないですか」
「わかっていただかないとね、実際。空念仏だけで言っていたらやね、『あいつ嘘ばっかり言ってるんじゃないか』と思われる。一般の民間人やのに。それが証拠付けになるわけでしょ?」(同前)
先月28日に行われた民進党によるヒアリングでも、籠池前理事長は近畿財務局に対して昭恵夫人に土地取引の経過を適時報告していることを伝えていたと証言。それまで定期借地契約に難色を示していた財務省が、2014年夏ごろから「突然、定借での契約に前向きになってくれた」とも話していた。そして、写真を見せていたという今回の新事実──近畿財務局の担当者が「局長にも見せなあかん」と慌てふためくほど、この写真は忖度の“決定打”となったのだろう。
だが、忖度が働いたのは土地取引だけではないはずだ。実際、この写真を見せられた後の2014年10月には、近畿財務局は担当課長級である「統括管理官」を含む数名で大阪府庁を訪問している。昭恵夫人と森友学園の関係性が、小学校認可にも影響を及ぼしたことは十分考えられるのである。
言うまでもないが、籠池前理事長は勝手に昭恵夫人の名を騙って忖度を引き出したわけではない。昭恵夫人が小学校建設地にまで足を運び、籠池夫妻と密に連絡を取り合っては国有地の土地取引の進捗の報告を受け、その後には名誉校長まで引き受け、秘書の職員に指示して財務省にさえ「ゼロ回答」を得ていたのだ。──これを「ズブズブの関係」と言わずして、何と言おう。