山本幸三公式HPより
「一番の“がん”は文化学芸員。この連中を一掃しないとダメだ」
“アベノミクスの仕掛け人”を自認する山本幸三地方創生担当相の発言が波紋を広げている。山本地方創生相は16日、滋賀県でひら開かれた地方創生に関するセミナーで講演。その際、外国からの観光振興に関する質疑のなかで、“文化学芸員はがん”発言が飛び出したのだ。
また、山本大臣は「地方創生とは稼ぐこと」と定義したうえ、京都の二条城のケースをあげ、「文化財のルールで火も水も使えない。花が生けられない、お茶もできない」などと学芸員を批判したのだという。
昨年10月に二条城で開かれたイベントでは国宝・二の丸御殿の大広間や黒書院などで能や生け花が実演されており、発言は明らかなデマなのだが、やはり信じられないのは、安倍政権の現役閣僚が「学芸員を一掃せよ」というセリフを吐いたことだろう。
そもそも安倍政権は、常々「日本の伝統を大切にせよ」「日本人はもっと歴史を学べ」とかほざいているのではなかったのか。それを、観光振興に邪魔だから、博物館、美術館等で文化遺産や歴史的資料の収集、保管、研究調査などを行う重要な仕事をしている人間を一掃しろ、などというのは、まさに歴史や伝統をないがしろにする行為に他ならない。
実際、観光利用や観光的価値を最優先にして、学芸員を排除してしまえば、歴史的な資料や建造物はどんどん破壊され、地味だが歴史、文化的価値のある資料はないがしろにされていくだろう。