ペギー葉山がブログで訴え続けていた核兵器廃絶への思い
前述した09年8月6日のブログ、つまり、バラク・オバマがアメリカ大統領に就任し、核廃絶を訴えてノーベル平和賞を受賞するきっかけともなった「プラハ演説」が行われた後に訪れた最初の広島原爆投下の日、葉山はこのような文章を綴っていた。
〈核兵器は絶対許せないものです。このおぞましい兵器を現在保有している国が存在していることすら、許せないことです。アメリカのオバマ大統領は戦後64年目にして漸く『核兵器廃絶』を訴えてくれました。遅すぎると思うけど、彼の発言をこの地球全人類は拍手を持って迎えるべきです。日本の政治家さんもオバマさんの発言に後押しされたのでしょうか、原爆症原告全員救済、官房長官謝罪。あれから一体、何年月日が流れているのですか!!64年ですよ!!・・・日本のYES, We CAN!は遅すぎると思いません?〉
あれから時が経ち、現在、核廃絶の流れは消え去り、それどころか先日、安倍政権は国連で行われた核兵器禁止条約の交渉会議に関し、「禁止条約がつくられたとしても、北朝鮮の脅威といった現実の安全保障問題の解決に結びつくとは思えない」などとのたまって条約の交渉にすら不参加を表明した。この国は唯一の被爆国であるのにも関わらず、である。
そんな状況にあるからこそ、ペギー葉山が残した戦争体験、そして、「戦争は絶対にだめ、ずっと放棄したい。育っていく子どもたちに二度と経験させてほしくないです」というメッセージを、われわれは改めて噛み締めなければならない。
(編集部)
最終更新:2017.12.01 11:57