だが、今村復興相の返事は同じ。あくまで「福島県が窓口」で国はそれを「サポート」するだけと言ってのけ、その後も記者の質問に対して「福島県が〜」と繰り返し、「この図式はこのままでいきたい」と強調。一貫して、国が自主避難者に対する具体的な対策を取る必要性を認めず、挙げ句の果てには、憮然とした表情でこう言い放ったのだ。
「これは国がどうだこうだっていうよりも、基本的にはやはりご本人が判断されることなんですよ」
言うまでもなく、国策として原発を推進し、安全神話を振りまいて、あの未曾有の大事故を引き起こした責任は、当然、国にある。この、国の責任も被災者の置かれた現状も一顧だにしない今村復興相に対し、記者はこう切り返した。
「それは福島の内情や、なぜ帰れないのかという実情を、大臣自身がご存知ないからではないでしょうか。それを人のせいにするのは……」
すると今村復興相は、「本人が判断すること」という自身の発言を棚にあげて、「人のせいになんてしてないじゃないですか! 誰がそんなことしてるんですか!」と激昂。そして、この逆ギレに対して記者が、「(帰ることができるか)判断できない、だから帰れないから避難生活を続けなければいけない。それは国が責任をとるべきじゃないでしょうか」「帰れない人はどうするんでしょう」と追及の手を強めると、今村復興相はダメ押しのようにこう吐き捨てた。
「どうするって、それは本人の責任でしょう、もう」
このセリフだけでも信じられないが、以下、このようなやり取りが続く。
記者「自己責任だとお考えですか」
今村「それはそうだと思いますよ」
記者「分かりました。国はそういう姿勢なわけですね。責任を取らない」
しかし今村復興相は「ルールに則っていままで進んできた」「国としてはできるだけのことはやったつもり」と正当化し、さらには「裁判だなんだでもやればいいじゃない」とまで言い放った。それに対し記者が「自主避難の人にはお金は出ていません」「責任を持って回答してください」と質すと、ついに机を叩いてブチギレ。こう絶叫したのだ。
「責任を持ってやってるじゃないですか。なんて君は無礼なこと言うんだ! ここは公式の場なんだよ! 撤回しなさい! 出て行きなさい! もう二度と来ないでください!」
そして記者会見は打ち切られたのだが、退出する今村復興相に向けて、記者はこう続けた。