籠池理事長によると、タニサエコという人物は昭恵夫人が講演をした際に幼稚園にも同行していた人物でもあるそうで、民進党の福山哲郎議員が確認したところ「たしかに経産省から内閣府に出向している記録があるようです」という。この国有地をめぐる昭恵夫人側とのやりとりについて、福山議員がさらに詳しく尋ねると、籠池氏はこう述べた。
「内容にいたしましては、ちょうど定期借地が終わりました、契約しました頃でありますので、買受特約10年がついておりました。ちょうどその時期に、介護施設については50年の特約がつくというようなことが言われておりましたんで、そのことを、介護施設ではあるんだけど学校法人はどうなんでしょうかというふうなことを、お聞きお願いしたということであります。その結果、それは今のところ学校法人は無理だということであったと、いうふうなことであります」
籠池理事長によれば、このときのやりとりの物的証拠であるファクスを保持しているという。福山議員は「夫人付きの方が動いたことがあるということは非常に大きなこと。これはある種、忖度が働いてもおかしくないかなという状況」と感想をもらしていたが、その通りだろう。昭恵夫人側に具体的にどういう動きがあったのか、昭恵夫人を証人喚問し、解明するべきだ。
さらに籠池理事長は、昭恵夫人と小学校との結びつきの強さを感じさせるエピソードも明かした。小学校の開校予定地を昭恵夫人と訪れたことがあるかと問われた際、「土地を見て『いい田んぼができそうですね』と昭恵夫人が話したことから、『瑞穂の國記念小學院』という名前にした」と明かしたのだ。
さらに、籠池理事長の妻と昭恵夫人はこの問題が明らかになって以降も「2月中に22回、3月中は15〜6回」もメールをやりとりしており、なかには昭恵夫人から口止めともとれる内容のメールもあったという。この、メールについては昭恵夫人サイドも籠池理事長も公開してもいいと言っており、どういったやりとりがなされていたのか、さらに明らかにしてもらいたい。
また稲田朋美防衛相との関係についても、新たな事実が発覚した。福山議員から稲田防衛相との関係について問われ、籠池理事長はこのように証言したのだ。
「稲田先生のところと顧問契約、結んでおりました。先生も出廷いただいたというふうに記憶しておりますけども、今回の土地の事柄につきましても、稲田龍示事務所に平成28年の1月にはご相談にいっております」
これまでも証言していた稲田防衛相と夫の弁護士事務所が顧問弁護士であったという事実をあらためて語ったうえ、国有地取引についても稲田防衛相の夫である龍示氏に相談していたという事実を明かしたのである。
稲田防衛相の答弁が虚偽であることがあらためて示されたことになるが、これが事実であるとすれば、龍示氏からどのようなサジェスチョンがあったのか、龍示氏を通じてまた稲田防衛相などがなんらかの働きかけを行ったのか、こちらもさらなる追及が待たれるだろう。