つまり、百田は自分が絶賛してきたトンデモ学校法人をかばうために、昔の話をもち出して、ごまかしているにすぎないのだ。橋下徹も同じ論法で、森友学園からの要望を受けて私立小設置基準の規制を緩和した自分たちの責任を回避しようとしていたが、見苦しいとしか言いようがない。
しかも、百田は、これだけでは飽き足らず、こんなデマまで語っていた。
「『サンデーモーニング』でしたっけ。TBSの。あんなかで岸井ナントカという人がですね、『教育勅語はヘイトだ』と言ったらしいですね。教育勅語がヘイトって、頭おかしいんちゃうかと思いますね」
念のため指摘しておくが、『サンデーモーニング』で、岸井はそんなことを語っていない。教育勅語を暗唱させている場面につづいて、幼稚園が「よこしまな考え方を持った在日韓国人や支那人」と書いた文書を配布していたことをVTRで紹介。それを受けて岸井は「幼稚園児に教育勅語を暗唱させるなんて、いまどき考えられない上に、ちょっとヘイト的なあれがある」と語っただけだ。つまり「教育勅語がヘイト」と言ったのではなく、配布された差別文書を指して「ヘイト的」と指摘したに過ぎないのだ。
このデマを見ると、以前から囁かれていた“百田センセイはネトウヨまとめサイトをネタ元にしている”説がにわかに信憑性をおびてくるが、いずれにせよ、天皇に命を捧げよと洗脳する軍国教育の象徴たる教育勅語を「素晴らしい」などと褒めあげるあんたの頭こそ「おかしいんとちゃうか」という話だろう。
だが、こうして問題のすり替えをおこなっているのは、百田だけではない。やはり塚本幼稚園で講演をおこなったことがある参院議員の青山繁晴は、百田と同じ『真相深入り!虎ノ門ニュース』において、塚本幼稚園が教育勅語を暗唱させていることを「それ(教育方針)とこれ(国有地売却問題)とを一緒にするのはまったくおかしい」と報道を批判し、こう述べた。
「(テレビ局は)よく言うよ、洗脳なんて。いままで日本軍は悪いことばっかりしましたって洗脳を放送でやってきて」
「教育勅語だから悪いという根拠は一体何なんですかね」
「教育基本法に基づいての歴史教育が結局、中国、韓国の嘘を生んだ」「どれだけ嘘を教えられてきたか」
しかも青山議員は、“日教組が優遇されてきたんだから教育勅語を教える学校は逆に排除されるはず。だから森友学園は特権的な扱いは受けていない”などと持論を展開させたのだ。ネトウヨ脳ここに極まれり、である。