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横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」⑦

新潟県の米山知事が記者クラブを開放した会見で語った原発と共謀罪への疑問、鹿児島・三反園知事との連携

 そこで、原発テロ対策強化を十分にしないまま、いわゆる共謀罪を「テロ等準備罪」に名称変更をして成立させようとする安倍政権の姿勢について米山知事に聞いてみた。

──原発テロ対策で、安倍総理大臣はテロ防止には共謀罪が必要で、五輪開催には不可欠だと仰っているのですが、泉田前知事を含めて、いわゆる共謀罪がテロ対策に役立つとか、必要だといったお話を聞いたことがあるのかということと、米山知事自身のお考えをお伺いします。

米山知事「特段泉田さんから聞いたことはありません。共謀罪というものがテロ対策に有効かどうかという話をすると、これは怒られるかもしれませんが、それは有効なのです。結局、犯罪に対する抑止と市民の自由というもののバランスで決まるわけです。ありとあらゆる人を一網打尽に引っ捕らえれば、刑務所は満杯になりますが、犯罪の抑止という意味では抑止はできるといえばできるわけです。
 ところが、それでは市民生活が非常に脅かされるから、そういうことはするべきではないというのが、共謀罪に対する反対意見のエッセンスだと思います。テロ抑止に対して有効かどうかというよりも、むしろ自由主義社会における言論の自由、思想の自由、行動の自由というものは尊重されるべきではないかという文脈で、そこは語られるべきだと思います」
「個人的意見としては、まず共謀罪という形で(対象の範囲を)漠然としておいて、その対象を決めていくということは、自由社会における市民の自由を過度に制限する可能性は高いと思いますので、そこはよくよく考えるべきだと思います」

 米山知事は、共謀罪についてテロ対策の有効性を原理的に認めつつも、市民生活や言動の自由への脅威(デメリット)を考えるべきだと強調した。

 次にあがったのが、原発事故時の避難計画の不備という問題だった。県知事選で米山知事は「現状では原発再稼働は認められない」と訴えたが、その根拠となったのが、住民避難用バスの運転手の確保が困難というアンケート調査の結果だった。これも、一自治体レベルで解決できる問題ではないが、国の対策はまったく進んでいない

──(知事は)選挙中から「原発事故時のバスの運転手の確保ができないのではないか」と(訴えていました)。この問題は法整備が必要ではないかと思うのですが、(放射能被曝の)リスクのある業務に就く方の業務命令をどうするかとか、健康被害が出た場合の対応を含めて、国や政党や全国知事会で問題提起するとか、今後の取り組み、対応についての考えをお伺いしたい。

米山知事「まさにそうなると思います。ただたんにその問題だけを言っても説得力が十分ではないかと思いますので、(バスの運転手に関する)あのアンケートももちろん避難計画にも反映して、そうするとこの状況では最大、何万人しか運べませんと。そうすると何万人の方々がこのくらいの被ばくをする恐れがありますと。ですので、そこはきちんと法的な対応をお願いしますということは、国にも働きかけ、知事会でも働きかけ、国に働きかけるということは、他の政党にも働きかけるということですから、やらせていただきたいと思っています」

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