しかし、昨日今日の報道をみるかぎりまったくそうはなっていない。『Mr.サンデー』『とくダネ!』(ともにフジテレビ)、『モーニングショー』(テレビ朝日)、『ひるおび!』(TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)など、ほぼすべてのワイドショーがレプロ側の主張と幸福の科学側の主張を両論併記するかたちで報道したのだ。コメンテーターの意見などはややレプロ側に寄っている感はあるが、のんのトラブルのときのようにレプロ側の意見のみを垂れ流し、のん側の言い分をすべてシャットアウトするような事態にはなっていない。
改めて指摘しておくが、清水の出家にはどう考えても、不可解な部分が多い。たしかに、能年玲奈のケースを見ても、レプロがタレントに対してかなりブラック的な酷使をし、精神的にも追い詰めている部分はあるだろう。
しかし、清水は先週土曜まで生放送に出演、1月下旬に会って元気に会話したという芸能レポーターもいる。幸福の科学は「生命の危険」などといっているが、とてもそうは思えないのだ。また、同じく幸福の科学は「月給5万円」や「水着での仕事」への抵抗感も理由として挙げていたが、これらは数年前の話であり、なぜいま芸能界引退なのかという説明がつかない。
大川隆法による清水富美加の守護霊インタビュー本には、清水に対して「覚悟を決めよ」と迫る一文があった。両親ともに信者である清水に対して、幸福の科学が大川の霊言に基づいて強引に出家を迫った可能性は本当にないのか。
しかし、マスコミは、推測レベルでも、こうした洗脳の可能性をほとんど口にしようとしない。
それはレプロにもバーニングタブーがあるが、幸福の科学もメディアタブーのひとつだからだ。
幸福の科学といえば、「FRIDAY」(講談社)1991年8月23日・30日号が大川隆法総裁の結婚写真や過去に関する証言を掲載したことで、大規模な抗議行動と訴訟を起こされた事件は有名だ。
この事件では、雑誌が発売されてから約3週間後、同誌編集部および発行元の講談社に対し幸福の科学信者が押し掛け建物内を占拠、警察が出動する事態にまで発展した。電話やファックスによる営業妨害活動も行われ、抗議文や大川総裁の著書のコピーなどがひっきりなしに流されたという。さらに、この件に関してはその後、幸福の科学や教団関係者が講談社を相手取っての訴訟も連続して行われ、講談社は大きなダメージを受けた。