たとえば今月1日には逃げ恥ブームに便乗して星野源の守護霊インタビュー本『俳優・星野源 守護霊メッセージ「君は、35歳童貞男を演じられるか。」』も出版されている。昨年末には映画『君の名は。』の新海誠監督、半沢直樹で大ブレイクした直後には堺雅人の守護霊、高倉健や水木しげるが亡くなった直後に高倉健や水木しげるの霊、ほかにもローラ、キムタク、岡田准一、北川景子、菅野美穂、武井咲……など「守護霊にインタビュー」と称して、そのときどきの話題の人物の名前を冠した本を勝手に出しまくっている。ちなみに『アッコにおまかせ!』で驚きの声をあげていた和田アキ子と同じホリプロ所属の、綾瀬はるか、深田恭子の守護霊本も出ている。
ネットでは、星野源ら守護霊を勝手に出されただけの有名人たちも幸福の科学信者であると誤解の声があがっている。アマゾンレビューでも「◯◯さん、幸福の科学の信者だったんですね」という感想も見受けられる。
しかし、この2月には映画『沈黙』の公開に合わせてクリスチャンであるマーティン・スコセッシ監督の守護霊本が出ていたり、イスラエル生まれでユダヤ教であることが知られるアメリカの女優ナタリー・ポートマンの守護霊本や、2015年のパリ同時多発テロ直後にはイスラム教の開祖であるムハンマドの霊言本まで出すなどやりたい放題。彼らが幸福の科学の信者であることなどあり得ず、守護霊本が出ていることと本人の信仰とはなんの関係もないことがよくわかるだろう。
本サイトでは、いち早くこうした有名人守護霊本の中身を検証し、なぜこんなものを本人たちに無断で出してこれまで問題になっていなかったのか、疑問を呈したことがある。以下に再編集して掲載するので、ぜひご一読いただきたい。
(編集部)
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「私も、ノーベル賞が欲しいです。早く早く」――――。
これは、幸福の科学出版が出版している『村上春樹が売れる理由―深層意識の解剖』に掲載された村上春樹のセリフだ。といっても、本人のものではなく、「幸福の科学」の教祖・大川隆法が、春樹の守護霊を自らに降ろして、信者たちの質問に答えたものなのだ。もちろん版元は幸福の科学出版である。
これだけではない。同書の中で、春樹の守護霊は、実にカネに卑しく人間くさいキャラ設定で、たとえば、著書が売れる理由を教えてくれという身もフタもない質問には、「“秘伝のタレ”みたいなものでしょう? 絶対、教えちゃいけない」と、巷の酔いどれオヤジのように返し、発売前に内容を明かさないプロモーションについて問われると、「ビニ本とほとんど一緒の状態ではあるけども、そのへんの期待感を上手に盛り上げるのも、マーケティングなんですよね」と、純文学の作家とは到底思えないゲスな返事をしている。