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窪塚洋介がスコセッシ映画の舞台挨拶で政権批判!「この国のみっともない政府は自国の弱者には目も向けない」

『沈黙-サイレンス-』のなかで塚本は、体重を40キロ台にまで落とし栄養士から「君、これはギリギリ飛行だよ」と言われるほどの役作りを行ったうえ(「映画秘宝」17年3月号/洋泉社)、波打ち際で磔になり拷問を受けるという一歩間違えれば大事故にもつながりかねない過酷なシーンに臨んでいるが、それほどまでに体を張ったのは、『沈黙-サイレンス-』のなかに、『野火』にも通じる、映画人として自分が伝えるべきものがあると感じたからだろう。

 一方の窪塚洋介も塚本同様に現在の政権に対し疑問を呈し続けてきた人だ。窪塚というと『凶気の桜』の印象もあり右翼的なイメージもある人だが、ここ数年は一貫して反原発・反戦のメッセージを発信し続けている。むしろ、ナショナリスティックな思想をもっているからこそ、現在の政治状況には黙っていられないということなのだろう。

 たとえば、昨年12月に発表された「ユーキャン新語・流行語大賞」のベストテンに「保育園落ちた日本死ね」が選ばれたことを発端にネットが炎上した際、彼がこのようなツイートを投稿しネトウヨから怒りを買った件は記憶に新しい。

〈「日本死ね」が流行語らしいけど、遅いだろ!?だってとっくに死んでんじゃん!笑 生きてるのは国民だけだよ。立ち上がれるのは生きてるやつだけ。日本政府なんてとっくに死んでただろぅ?今なんか一目瞭然でこの国の為の政府じゃないじゃん!て説明してる切なさよww〉(改行は引用者の判断で改めた)

 彼のこういった姿勢は一貫しているもので、14年の12月にはツイッター上でこのようにも語っていた。

〈街で自民党いるとイラつくw もし自民党が勝って、五輪後に向けて戦争まっしぐらになって、魂丸ごと散々叩き売っといて、また「家族を守る」「この国を、故郷を守る、ブレない」とか言い出したら、殺意に変わる自信あるわ。笑〉(改行は引用者の判断で改めた)

 窪塚の社会的な主張はツイッター上だけで行われるものではない。ご存知の通り、彼は卍LINE名義でレゲエ歌手としてもキャリアを重ねているが、11年4月には東日本大震災を受けて、反原発を訴える「日本のうた」という楽曲を発表したりもしている。

〈原発お疲れこれで絶交 A to the Zクリーンなのセット エネルギーリセットで倒れるゼットン 価値観根こそぎアップグレード〉
〈原発にぶら下がった結果今 ありえんような世界が現れた俺ら 人間無限に欲望を追うの〉
〈昨日までの生活嘘の様 目の前の現実荒れ模様 政府もメディアも糞の様 三度目の最悪、放射能〉

 マーティン・スコセッシという巨匠の映画作品の舞台挨拶で、堂々と勇気ある発言を行った2人を讃えたいし、今後も良識ある映画人として我々を勇気づけてくれることを期待せずにはいられない。
(新田 樹)

最終更新:2017.11.15 06:29

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