安倍晋三公式サイトより
これこそ、二枚舌の極みというやつだろう。安倍首相は今日、真珠湾訪問のスピーチで、こんなことまで口にして“アメリカあっての日本”を強調した。
「戦争が終わり、日本が見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、アメリカ国民でありました。皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は未来へと命をつなぐことができました。
そして米国は、日本が戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは平和と繁栄を享受することができました」
しかし、だとしたら、いつも言ってる押し付け憲法論はどうなるのか? アンシャン・レジームからの脱却はどうするのか?
だが、この男はおそらく、こんなスピーチのことなんてすっかり忘れて、日本国内では再び「戦後民主主義はGHQの洗脳によるものだ」「アメリカの押しつけ憲法を捨て去るべき」などといった歴史修正主義的な政策を平気で遂行していくのだろう。
安倍のアメリカに対するこの、矛盾した言動、アンビバレンツな態度は一体なんなのか?
実は、安倍首相の中には「良いアメリカ」と「悪いアメリカ」という2つのアメリカがあり、それは安倍首相の政治行動の原点となっている祖父・岸信介のアメリカとの関係性が大きく影響している。
本サイトは安倍首相がアメリカのリクエストに丸乗りして安保法制を強行した際、その背景に、岸信介がA級戦犯を逃れるため米国と交わした裏取引きがあることを指摘したが、その記事の中で、安倍首相の中にある「2つのアメリカ」について論じたことがある。
ここにその記事を再録するので、ぜひ読み返してほしい。この男がなぜ、こんな二枚舌スピーチを平気で口にすることができるのか。その理由の一端がわかるはずだ。
(編集部)
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安倍晋三首相が愛してやまない祖父、岸信介は1945(昭和20)年9月15日にA級戦犯容疑で逮捕される。当時は誰もが岸は有罪とみていた。それはそうだろう。