前述したように、斎木氏は「未来会議」開催前から同会議の党派性を否定し、安倍首相の遠戚であることは認めながらも“首相シンパではない”と反論していた。
だが、安倍首相の後ろ盾によって文科省の後援や公邸の開放などの“特別扱い”を受けていたのならば、そのイベントはもはや「中立」でも何でもない。さらには、当時から安倍首相が「未来会議」を通じて生まれたネットワークを利用し、斎木氏が高校生に向けた改憲啓蒙活動のための組織づくりをおこなうのではないかという見方も根強かったが、「未来会議」が安倍首相の根回しによって開催された事実を踏まえれば、その可能性は十分に考えられる。
利益誘導のみならず、「高校生の政治参加」を看板にしたプロパガンダをも画策しているとなれば、問題は深刻だ。しかし、マスコミはいつものように看過して黙りこくったまま。朴槿恵問題の十分の一でもいいから、自国の政権への腐敗糾弾にエネルギーを向けることはできないのだろうか。
(野尻民夫)
最終更新:2017.03.02 01:49