上・ドナルド・トランプTwitterアカウントより/下・橋下徹の「問題解決の授業」公式メールマガジンより
トランプ大統領の誕生に日本のメディアも大騒ぎの状態が続いているが、そんななか、橋下徹がトランプ支持をツイッターで展開し、話題を呼んでいる。
〈トランプ氏はとりあえずはアサド政権を容認し、その代わりロシアと組んでIS壊滅。きれいごとだけを言う政治家にはできない判断。ビジネスマンだ〉
〈トランプ氏は北朝鮮は頭がおかしいか天才かだと指摘。本質を突いている。きれいごと政治家では言えない〉
〈トランプ氏、犯罪歴のある不法移民を強制送還し、それ以外の不法移民に一定のルールのもと法律で市民権を与える。メキシコとの国境警備を強化する。シリアアサド政権を容認してロシアと組んでISを壊滅する。これだけで歴代大統領の中で最高の実績者となる。政治はきれい事ではなく実行だ。恐るべし〉
このように橋下は、トランプが掲げる不法移民政策とシリア政策の転換などを挙げ、手放しで賞賛しているのだ。
しかし、一体この政策の何が「最高の実績」だと言うのだろう。トランプは国境沿いに“万里の長城”を築くと宣言した際、同時にメキシコ人のことを「麻薬や犯罪を持ち込む。彼らは強姦犯だ」などと蔑視感情を露わにしている。また、アサドは一般市民への弾圧だけではなく大量殺戮まで行っている非道な独裁者である。そんな政権をトランプが容認することで起こり得るのはこれまで以上の悲劇でしかなく、シリア難民はさらに増えるだろう。しかも、トランプはシリア難民にかんしても「強制送還する」方針を打ち出しており、くわえてトランプの長男は難民受け入れを「毒入りキャンディ」に喩えてもいる。
つまり、橋下が絶賛するこうしたトランプの政策は、彼の強烈なゼノフォビア、人種差別主義を前提にしたものであり、事実、アメリカ国内ではトランプの次期大統領就任が決まるや否やヘイトクライムが起こっている。そうしたものに目を向けることなく無批判に「政治はきれいごとではない」などと述べる橋下の危険性が改めて浮きぼりになったといっていいだろう。