また、今年7月バングラデシュのダッカで発生したテロ事件。JICA職員ら日本人7名も犠牲になったが、惨劇の舞台となったレストランは、富裕層が多く住むエリアにあり、主に外国人や外交官が利用することで知られていた。日本大使館や日本人学校も近く、経営者のバングラデシュ人は他にも日本食料理店を経営していたという。
また、襲撃のさなか、邦人が犯行グループに「私は日本人です、撃たないでくれ」と懇願していたという目撃情報もあった。元外交官の孫崎享氏は当時、報道内容を引用しつつツイッターにこう投稿した。
〈ダッカ事件「英語で”私は日本人だ”と叫ぶ40歳代ぐらいの男性1人が、男達に店内へ連れ込まれたのも見た”と話した」。残念ながら日本人なら無害は過去の話。IS「アベよ、戦いに参加するというおまえの無謀な決断でこのナイフはケンジを殺すだけでなく、おまえの国民を場所を問わずに殺戮する」〉(原文ママ)
日本人であれば無害というのは完全に過去の話。それどころか、日本人であることがわかれば標的にされるリスクがある。
ネット右翼や安倍応援団たちが「日本人は世界で好かれている」「安倍さんはまちがっていない」「なんでも安倍政権のせいにするな」などと国内でわめきたてたところで、これが現実だ。
海外を拠点にし、海外を転戦するスケート選手たちの皮膚感覚としては、日本人であることがわかるのはもはや危険な行為なのだ。
安保法制が強行採決されて自衛隊の中東派兵が現実味を帯びてきたことで、日本も今後、ISなどイスラム過激派のテロの標的になるのは確実だ。それも海外の邦人にとどまらず、これからは日本国内で起きる可能性もある。
トランプ米大統領の誕生により国際情勢はさらに不透明になるなか、安倍政権の外交・安全保障政策が日本人を危険に晒していることをあらためて指摘しておきたい。
(編集部)
最終更新:2016.11.15 12:05