しかし、気がかりなのは、こうして宮崎氏が直接、川上氏の“想像力のなさ”に対して痛烈にダメ出しをしても、おそらく川上氏にもドワンゴにもまったく響いていないだろう、ということだ。
在特会問題のときもそうだったが、彼らにとってすべての表現はただの「金儲けの商材」でしかない。宮崎に対しては面と向かって言わないだけで、心の中では「なんでそれがダメなの?」「このジジイ何言ってんだろう」とつぶやいているはずだ。
いずれにせよ、今回の宮崎監督の川上氏に対する苦言は、スタジオジブリとドワンゴはまったく相容れない存在だということを広く世間に印象づけた。同時に、川上量生という経営者が人間の痛みを想像できない人物であることも、あらためてはっきりとさせた。読者には、この問題をドキュメンタリーの一幕として片付けず、メディアやクリエイターはどうあるべきか、考えてみてほしいと思う。
(編集部)
最終更新:2016.11.14 09:47