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『とと姉ちゃん』反戦メッセージ封印の一方でモデル「暮しの手帖」編集部には「政治色が強すぎ」と批判が!

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』番組サイトより


 先日、本サイトではNHK連続ドラマ小説『とと姉ちゃん』をめぐって、モデルになった雑誌「暮しの手帖」(暮しの手帖社)の元関係者や古い読者から「事実と全然違う」との声が上がっていることをお伝えした。

 だが、これは細部の問題ではなく、背景に『とと姉ちゃん』が「暮しの手帖」の本質を避けて通ろうとしていることがある。「暮しの手帖」は同誌の名物編集長・花森安治氏と、一緒に同誌を立ち上げた、とと姉ちゃんのモデル・大橋鎮子氏の「戦争に反対しなくてはいけない」という思いから生まれた雑誌だ。暮らしを大切にすることと、戦争をしない世の中にしていくこと。暮らしを守ることはつまり平和を守ることだという考えが「暮しの手帖」の根幹にはある。

 ところが、NHKは、番組プロデューサー・落合将氏がインタビューで「花森さんはわりと反権力的な方で、政治や政府にも一家言があったとされている。そこを朝ドラでストレートにやるにはなかなかハードルがある」と語っていたように、この反戦争、反権力的姿勢をドラマから排除してしまった。

 かつての同誌を知る人たちが、この本質をないがしろにするドラマ化に怒るのは当然だろう。

 しかし、『とと姉ちゃん』に対するこの当然の批判の一方で、いま、雑誌「暮しの手帖」には、まったく正反対の角度から奇妙なクレームが寄せられている。たとえば、ネット上ではこんな意見がいくつも出てくるのだ

〈編集長が変わって政治色が強くなった。残念〉〈暮らしの手帖で「アベ政治を許さない」的な記事を展開なさることに疑問を感じます(中略)政治記事を読むなら別の雑誌を買います〉〈新編集長以降では、はっきり左への偏りが見えます。政治は暮らしに欠かせない事かもしれませんが、この雑誌上では見たくない記事・特集です〉

「暮しの手帖」は、“ていねいな暮らし”界隈で人気を集めていたエッセイストである松浦弥太郎氏が2006年から編集長を務めていたが、15年に退社し、料理レシピサイトを運営するクックパッドへ移籍。代わって今年の80号(2−3月号)より、元マガジンハウス編集者で女優・本上まなみの夫でもある澤田康彦氏が編集長になった。ところが、これ以降、政治色が強まったとして、「これまでの『暮しの手帖』じゃない!」と一部で反発があるらしいのだ。

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