安倍昭恵オフィシャルサイトより
安倍昭恵夫人がまたまたお騒がせを演じた。今度は、安倍政権が米軍ヘリパッド建設を強行している沖縄県の東村高江に姿を現し、建設に反対する住民たちのテントで対話を試みたのだという。
昭恵夫人を連れてきたのは「選挙フェス」で注目を集めた社会活動家・三宅洋平氏らしいが、しかし、高江では先月末、安倍政権による暴力的な反対派強制排除が行われたばかり。また、今日明日にも再び強制排除が行われるのではないかといわれている。そんなところから「反対派を強硬に弾圧した人間の妻がなぜのこのこやってくるのか」と反発の声も上がった。
たしかに地元住民や支援者たちの怒りや疑念は当然だろう。昭恵夫人は反安保、反原発、親韓国など、安倍政権の政策に真っ向から反対するような言動の一方で、夫の外遊にはファーストレディとしてにこやかに同行し、選挙では首相の名代として地元での演説も行ってきた。沖縄でも自民党の基地賛成派候補の応援演説をして、「夫は独裁者ではない」などと安倍首相を擁護していた。その矛盾は理解しがたいし、一部には「官邸による若手の安倍批判勢力取り込みではないか」「夫の強硬政策のガス抜き係を演じているのではないか」という見方もある。
しかし、昭恵夫人と会ったことのある人間を取材すると、安倍首相と裏でつるんでいたり、事前に相談しているというのはありえない、と全員が口をそろえる。実際、その言動をウォッチすると、彼女がガス抜き役を演じているというより、やはり彼女の中に安倍首相とは真逆の価値観があるという印象が強くなってくる。たとえば、つい最近も、昭恵夫人はその真逆の価値観を示唆する発言をしていた。
「個人的な意見を率直に言うと、日本国内のことだけを考えてそんなに少子化対策をする必要があるのだろうかと思っています」
これは現在発売中の「アエラ」(朝日新聞出版社)8月8日号のインタビューで語ったものだ。つまり、昭恵夫人は日本が抱える大きな問題のひとつで、アベノミクス「新3本の矢」でも重要視されている少子化対策に対し“必要ない”と真っ向から否定したのだ。
しかも、このインタビュータイトルは「子のない人生乗り越えて」というもので、昭恵夫人は自身の“子どもがいない人生”や“不妊治療”の経験まで言及したうえで、安倍政権の少子化対策の根本的な欠陥についてかなり説得力を持って語っているのだ。