小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

現役の神社宮司が「日本会議や神社本庁のいう伝統は伝統じゃない」「改憲で全体主義に逆戻りする」と真っ向批判

nihonkaigi_160601.jpg
『日本会議の研究』(扶桑社)

 安倍政権ともつながりが深い日本最大の右派団体「日本会議」が、いま、出版・言論界で注目を浴びている。

 今年5月には、著述家の菅野完氏がウェブメディア「ハーバー・ビジネス・オンライン」で昨年2月から連載していた論考を書籍化した『日本会議の研究』が発売。書店に並ぶ前から、椛島有三日本会議事務総長の名義で、版元の扶桑社に出版差し止めを要求する申し入れ書が送られるなどし、大きな話題になっている。椛島氏は、菅野氏が同書で日本会議の中枢に座る「生長の家原理主義」の一人として名指しした人物だ。

 言論活動に対して、それが巷間に出る以前から「抗議」と称して差し止めを要求する。これは明らかに言論、出版の萎縮を狙った威嚇行為だ。断じて許されるものではない。

 しかし、日本会議側がいくら圧力をかけても、昨年以降、メディアは日本会議を大きく取り上げるようになった。新聞でもたびたび取り上げられるようになり、追及の動きは止まることはないだろう。

 こうしたなか最近目を引いたのが、「週刊金曜日」(金曜日)5月27日号の特集「日本会議とは何か」である。同特集には、『証言 村上正邦』などで日本会議の成り立ちを記したジャーナリスト・魚住昭氏や、一水会元代表の鈴木邦男氏、右派の歴史修正主義等を研究してきた能川元一氏などが寄稿しているのだが、特に注目したのが、現役の神社宮司である三輪隆裕氏へのインタビュー記事だ。

 三輪宮司は愛知県・清洲山王宮日吉神社の神職56代。周知の通り、全国約8万社の神社を統括する宗教法人「神社本庁」は日本会議と密接な関係にあり、神社本庁統理や神宮代宮司らが顧問として日本会議の役員に名を連ねている。だが、三輪宮司のインタビューを読むと、神社界全体が日本会議の推し進める“戦前回帰”的な運動に賛同しているわけではないことが、はっきりとわかる。

 三輪宮司は、冒頭から“日本会議は「皇室と国民の強い絆」が「伝統」だと主張しているが”という「週刊金曜日」の質問に対し、こう答えている。

「いや、それは『伝統』ではありません。江戸時代にはごく一部の知識階級を除き、『京都に天皇様がおられる』ということを庶民が知っていたか、はなはだ疑問です。本来神社とは地域の平和と繁栄を祈るためのもので、この日吉神社でいえば、江戸時代は氏神の地域と尾張国の繁栄を神様に祈願していました。明治になって、日本という統一国家ができたので、その象徴として『天皇』を据えたのです」(「週刊金曜日」より)

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する