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秋元康の歌詞を「女性蔑視」と批判したら、AKB運営から「名誉毀損及び侮辱罪」「記事を削除せよ」の恫喝メールが

 ディアナのいう「リプロダクティヴ・ヘルスケア」とは女性の自己決定権にもとづいた性と生殖に関する健康管理のこと。彼女は、教育の機会が奪われ、自分の性に関する行動を自己決定できない女性が世界中に数多くいることを憂えているのだ。

 AKS法務部は、「アインシュタインよりディアナ・アグロン」の歌詞が〈女優ディアナ・アグロンに憧れる架空の女の子のお話し〉だというが、実際の歌詞の中身は、ディアナ・アグロンの主張とは真逆。〈女の子は恋が仕事よ ママになるまで子供でいい〉など、完全に女性の「リプロダクティヴ・ヘルスライツ」を否定する内容なのである。

 こんな歌詞に勝手に名前を使われたと知ったら、ディアナ・アグロンはどう思うだろう。名誉毀損は本サイトではなく、ディアナの名前を本人の意志と逆の意味で使った秋元康とAKS法務部のほうではないか。

 いずれにしても、この女性蔑視的な歌詞は、「グリー」やディアナとはなんの関係もなく、秋元康の思想の表れであることは明らかだ。だからこそ、当サイトは秋元のこれまでの歌詞を改めて再検証し、性別役割を押し付けるその女性蔑視的な価値観が「昔から」であることを、具体的な歌詞をあげつつ指摘した。

 ところが、信じられないことに、AKS法務部はこれが名誉毀損にあたるから、即刻、削除せよ、と通告してきたのだ。抗議メールはこう続いている。

〈2.貴社の記事のスタイル

 本件記事は、インターネット上の匿名によるSNS等への投稿等の論評を引用したうえ、匿名の無責任な心ない発言を世間一般の見方であると受け取られるような形で公に発表するとともに、余談偏見に満ちた論評であると言わざるを得ません。
なお、引用記事の摘示及びそれを前提とした論評に名誉毀損及び侮辱罪が成立することはご存じの通りです(最判平成9年9月9日、東高平成4年11月17日、東地平成11年7月19日)。

 3.結論
 通告会社は貴社に対し、即刻、本件記事を削除するともに、今後、AKB48グループに関する無責任な誹謗中傷記事の配信を差し控えて頂くよう求めます。
いかなるご対応をされるか、大至急、ご連絡くださるよう御願い申し上げます。〉

 ちなみに、AKS法務部が〈名誉毀損及び侮辱罪が成立する〉根拠として、もっともらしくあげている〈最判平成9年9月9日、東高平成4年11月17日、東地平成11年7月19日〉という判例だが、ひとつめは、妻に対する殺人容疑で逮捕された三浦和義被告(当時)に対して「極悪人、死刑よ」という知人女性の証言を掲載した「夕刊フジ」が名誉毀損だとされた最高裁判決。ふたつめは、同じく三浦被告に対して、「死刑」の予想をした刑法学者のコメントを紹介した「東京スポーツ」の記事が名誉毀損にあたると判断された東京高裁判決。そして3つめは、変死した東村山市議の夫の「妻は創価学会に殺された」という証言を掲載した「週刊現代」記事が名誉毀損だとされた東京地裁判決。いずれも、本サイトの記事とはなんの共通性もない。

 たとえば、これらの判例に出てくる記事では前提となる事実の証明がなかったため、名誉毀損とされたが、本サイトの場合は、秋元康がこの歌詞を書いたという明らかな事実の前提がある。また、AKSは〈匿名の無責任な心ない発言を世間一般の見方であると受け取られるような形で公に発表〉というが、本サイトはネットの発言をただ紹介して、そちらに責任を転嫁したわけではない。独自に歌詞を分析して、「女性蔑視」だと指摘しているのだ。これはあくまで正当な論評、批評だ。

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