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自民党“震災政治利用”の本音を憲法学者・小林節が暴露!「自民党議員から『これで改憲の入り口が』と連絡」

 今年3月15日に東京新聞が掲載した記事によると、東日本大震災で激甚な被害が発生した岩手県陸前高田市、山田町、宮城県仙台市、石巻市、気仙沼市、東松島市、名取市という7つの自治体の首長に同紙が取材。そのうち「緊急事態条項は必要」と回答したのは名取市長のみで、他の首長はいずれも否定的な見解をあきらかにしている。

 たとえば、菅原茂気仙沼市長は、災害発生によって道路を塞いだ車両撤去などが災害対策基本法の改正によって可能になった点を挙げた上で、「緊急事態条項があれば、人の命が救えたのか。災害対策基本法の中にある災害緊急事態条項で十分だ」としている。このほか、奥山恵美子仙台市長も「自治体の権限強化が大事だ」、戸羽太陸前高田市長は「震災時は、国に権力を集中しても何にもならない」とまで述べている。

 たったひとり「緊急事態条項は必要」と回答した名取市の佐々木一十郎市長は、既報の通り、以前からネトウヨと見紛うような歴史修正主義を市広報紙で展開、捏造情報を載せたことで市民から批判を浴びて謝罪した人物。氏の主張を読む限り憲法改正に前向きであることは明白で、そういう意味で「緊急事態条項は必要」としたのだろう。

 緊急事態条項を憲法にくわえる必要があるのか。そう疑義を呈するのは首長たちだけではない。憲法学者の小林節氏は、同じく憲法学の権威と呼ばれる学者・樋口陽一氏との対談本『「憲法改正」の真実』(集英社新書)のなかで、こんな話を披露している。

 そもそも小林氏は、安倍晋三首相の祖父である岸信介元首相が会長をしていた「自主憲法制定国民会議」に最年少メンバーとして参加し、1994年に読売新聞社が出した「読売改憲試案」にも深くかかわっていた“筋金入りの改憲論者”だった。この本のなかでも、「正直に告白すると、かつては、憲法に国家緊急権を書きこむことも必要だと私自身は考えていて、その考えを活字にもしていました」と言う。「緊急事態に際しては、通常のチェックス・アンド・バランシズのプロセスを省いてでも、危機に対応する権限を国家に与えることは必要」というスタンスだったのだ。

 だが、そうした考えを捨てたのにはきっかけがあった。それは、阪神・淡路大震災、そして東日本大震災の際に支援活動に動いた弁護士たちから意見を聞いたことだった。

「現場を良く知る彼らの主張はこうです。災害に際して、中央の政府の権限を強化したところで、被災地の状況は把握できない。状況を把握できない政府に判断を委ねても、時間がかかるし、間違いも起こる。生死の間際にある人々をそれでは救うことはできない。災害時に必要なのは、中央の権限を強化することではなく、自治体の首長に権限を委譲しておくことなのだと。さらに言えば、災害が起きてから、あわてて中央で対策や立法を練っていても間に合わない」

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