小説、マンガ、ビジネス、週刊誌…本と雑誌のニュース/リテラ

menu

小保方晴子『あの日』出版で再燃! STAP 細胞報道を改めて検証する(前)

小保方氏の反論手記での告発「私は若山先生にSTAP細胞の捏造犯に仕立てられた」は真実なのか!

 では、若山氏とマスコミによって、小保方氏が捏造・すり替え犯に仕立てられたという主張についてはどうか。実は、これも小保方氏の主張に一定の正当性がある。

 小保方氏がSTAP細胞をES 細胞にすり替えたという疑惑が浮上したのは、2014年3月26日。若山氏が自分で作製したSTAP幹細胞を簡易解析したところ、小保方氏に提供したマウスとは違うことがわかったと、理研CDBが発表したことだった。

 その後、若山氏は第三者機関に本格的な解析を依頼。6月16日に会見を開くのだが、その内容は「(解析したSTAP幹細胞は)若山氏の研究室のマウスのものではなかった」という衝撃的なものだった。しかも、若山氏は「なぜこのような幹細胞ができたのか、全く分からない。僕の研究室から提供するマウスでは絶対にできない結果」と断じたうえ、「CDBではマウスは厳しく管理されているが、ポケットに入れて持ち込むことまで防げない」と、小保方氏のすり替えを示唆した。

 新聞やテレビはこの会見の内容を大々的に発表。小保方氏は「若山研以外からのサンプルの入手経路はない」と否定したが、新聞には小保方氏がマウスを外部からどう持ち込んだかの推測記事が掲載されるなど、小保方氏がこっそりマウスをすり替えてES細胞を混入させ、存在しないSTAP細胞を捏造したという見方は一気に世間に広まっていった。

 これに対して、小保方氏は『あの日』の中で、若山教授が意図的に事実でない情報をマスコミに流し、自分を混入犯に仕立てたと主張したのだが、それは小保方氏の妄想や一方的な決めつけではなかった。後に、若山氏の会見内容は事実でないことがわかっているのだ。

 若山氏は、会見の際、小保方氏に提供したマウスには、目印となる遺伝子を18番染色体に付けていたが、それをもとに若山氏がつくり保存していた幹細胞では、15番染色体という異なる場所に目印が付いていたと説明していた。

 しかし、会見の約1カ月後の7月22日、若山氏と理研がこの解析が間違いであることを正式に認めた。解析したSTAP幹細胞は15番染色体とは別の場所に目印があったことが判明し、さらに、若山研究室で飼育されていた別のマウスと遺伝子の目印の特徴が似ていることも分かったという。つまり、STAP幹細胞は若山研にあったマウスからつくられていた可能性がきわめて高くなったのだ。

 しかも、この間違いを認めるまで、若山氏は不可解な動きをしている。当初、若山氏ら「ネイチャー」論文の共著者は若山氏の会見に基づいて、論文撤回理由書に全員同意で「マウスは若山研究室で維持されたことはない」と記載してネイチャー側に提出していた。ところが、若山氏はその後、単独でこっそりネイチャーにこの記述の撤回を依頼していた。

関連記事

編集部おすすめ

話題の記事

人気記事ランキング

カテゴリ別に読む読みで探す

話題のキーワード

リテラをフォローする

フォローすると、タイムラインで
リテラの最新記事が確認できます。

プッシュ通知を受け取る 通知を有効にする 通知を停止する