『ワイドナショー』HPより
まったく、松本人志という芸人は社会問題を相手にすると、どうしてこういう頭の悪いことしか言えないのだろう。
1月31日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)でのことだ。この日の同番組はウーマンラッシュアワーの村本大輔をゲストにベッキー問題が取り上げられ、大きな話題になったが、しかし、「頭の悪いこと」というのは松本のベッキーに対する発言を指しているわけではない(まあ、これも相当にヒドかったが)。
その後、番組のテーマが甘利明・前経済再生相の賄賂疑惑と辞任に移ってからのことだ。松本人志は、MCの東野幸治から「(甘利大臣の辞任は)どんな印象ですか?」と振られると、首を傾げながらこう持論を展開したのだ。
「これねえ〜、TPPどうなんねんってことで言うとですよ、このタイミングで(大臣辞任を)やることによって、国益とか、何兆円規模の日本にとっての損害の可能性があるわけですよ。この何兆円をフって、いまのこの、申し訳ないけど50万やなんやのために、いまやりますか〜?っていうのは、ちょっと僕は思ってしまいましたねー」
続けて、東野から“2月4日の調印式まで続投させるべきだったか?”と聞かれると、松本はさらにこう述べた。
「と、思いますね。損して得をとるの逆というか。あまりにもちっちゃい得のために大損をしてるんじゃないのかっていう」
そして、「フロマンさんでしたっけ?」と、米国の通商代表の名をあげ、ゲストの石原良純に向かって「急にお兄さん来ても『お前だれやねん!』って!」とギャグを放ったのである。
ようするに松本は、こう言いたかったらしい。“甘利氏が賄賂を受け取っていても「国益」を考えれば辞任すべきではなかった”“甘利氏が急にいなくなったら国際的信用を失くす”“たった50万円授受の疑惑のために、TPP交渉を頓挫させ「何兆円規模の」損害を出してしまう”……。
はあ……とにかくすべてが間違っているので、ツッコむ気さえおきなくなるが、しかし、これ、黙って見過ごすわけにはいかない。