この背景にも、メリー氏の存在があった。当時、この事実を報じた「週刊文春」は、T氏が結婚後、高級外車やクルーザーを買うなど放蕩三昧の生活を送っていたことから、「ジャニーズの跡目には相応しくないと、メリーさんの逆鱗に触れた」と書いているが、内情はもっと理不尽なものだったという。
「実はTさんはそこまで放蕩三昧というわけではなかったんです。夫婦仲もけっして悪くはなかった。ただ、メリーさんがTさんの能力をまったく評価しておらず、孫娘ができて少したってから、こんな男にジャニーズの資産が一銭でもいくのは耐えられない、この男と結婚しているあいだはジュリーを社長にできないと、Tさんを攻撃するようになり、別れさせようとし始めた。こうなると、ジュリーさんは母親には一切さからえませんからね。それで、2人は別居することになり、Tさんは役職を全部外されて、ジャニーズ事務所から追放されてしまったんです。その後しばらくして、2人は離婚したと聞いています。確認はしていませんが、少なくとも関係者のあいだでは、そういう認識になっていますね」(前出・ジャニーズ事務所関係者)
2012年の森光子の死去に際しても、メリー氏は理不尽なヒステリーを起こしていたようだ。森光子といえば、東山紀之はじめ、ジャニーズタレントたちとの交友が有名だが、もともとはメリー副社長と非常に親しい関係にあった。
メリー副社長は森のお気に入りであった東山をあてがることでさらに関係を深め、アイドルとしての旬を過ぎたタレントに仕事を回してもらうために彼女のパイプに頼ってもいた。
その森が12年11月10日に肺炎による心不全で亡くなったのだが、この際、メリー氏が激怒する事件が起きた。
それは、森の遺言状が原因だったという。当時、「週刊文春」が森と親しかったテレビ関係者の、こんなコメントを掲載している。
「森さんは生前にしたためた遺言状に『遺産の一部を東山紀之に譲る』と残したというのです。それを知ったメリーさんが、話が違うとさらに怒った。というのも、森さんが元気な頃、『私が死んだら、子供もいないし、財産の一部はジャニーズの若い子たちを育成するために使って欲しい』と言っていたそうなのです。メリーさんはその意見に賛同し、『ジャニーズ=森基金』という形で、将来的に運営していきたいという考えを持っていた。年収十億円といわれるメリーさんにとって、それは金銭の問題ではなくて、友情の証。なので、メリーさんからすれば、森さんに裏切られたという思いがあるのではないでしょうか」