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全国各地の神社が初詣客を狙って改憲の署名集め! 日本会議・神社本庁が指令、戦前復活の目的を隠す卑劣な手口

 そして、同会が目指しているのは1000万人の改憲賛同署名である。HPには、こうある。

〈憲法改正には国会発議とともに、国民投票で過半数(約3,000万票以上)の賛成が必要となります。そのため、私たちは今、「美しい日本の憲法をつくる1,000万人賛同者(ネットワーク)」を全国に呼びかけています。美しい日本を大切な子供たちに伝えていくため、どうか皆さんご協力ください。〉

 ようするに、初詣でみかけた境内の署名活動は、日本会議と神社本庁による憲法改正運動のための「1000万人賛同者ネットワーク」の一環だったのだ。

 事実、神社で見かけた“櫻井ポスター”には、はっきりと「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の名称が記載されていた。そして、同会の代表発起人のひとりには、神社本庁総長である田中恆清氏の名前が記されていた。

 読者のなかには「どうして神社が?」と疑問に思う人もいるだろう。だが、神社本庁は「神道政治連盟」という政治団体を傘下に置き、多数の政治家を支援しているのだ。その影響力は凄まじく、実際、「週刊朝日」(朝日新聞出版)15年10月23日号によれば、現安倍内閣の25人中22人が「神道政治連盟国会議員懇談会」に所属。とりわけその会長を務める安倍首相は、神社本庁と切っても切れない存在なのだ。

 しかも、「神道政治連盟」のHPをのぞくと、こんな主張や活動内容がでてくる。自主憲法の制定、靖国神社での国家儀礼の確立、道徳・宗教教育の推進、東京裁判と侵略戦争の否定、A級戦犯の擁護、夫婦別姓反対、ジェンダーフリー反対、皇室と日本の文化伝統の尊重……。

 これだけでも、ゴリゴリの右派団体であることがよくわかるが、神社本庁の機関紙「神社新報」などからその改憲の主張を見ると、彼らの危険性がさらに見えてくる。

 そのひとつが「祭政一致」だ。これは、天皇が親政を行い、政府はそれを輔弼するにとどめるという、大日本帝国憲法で明文化されていたもの。さらに、神社本庁は、新たな憲法では軍の「統帥権」をも天皇に帰属させるべきだという主張もしている。詳しくは本サイトの過去記事をご覧いただきたいが、天皇の「統帥権」は、戦前日本の軍部がそれを大義名分にすることで、政党政治を抑えて暴走するきっかけを生み出した。そして、日本の戦争犯罪の数々が“皇軍”の名のもとに正当化されていったことはいうまでもない。

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