櫻井よしこ氏の改憲ポスター(東京都港区赤坂氷川神社の門)
結局、その後、区をまたいで都内神社を計10社ハシゴしてみたところ、実に4社の境内でこの“署名ブース”の存在が確認できた。
ネット上でも、全国各地の神社で署名活動の目撃情報があがっている。かなり広範囲の運動であることは間違いなさそうだ。
さらに、聞き込みを進めていくにつれ、この署名活動は、組織ぐるみ、全国規模で行っていることが明らかになった。
「署名は神社庁が決めて、神社界全体で、全国的にやっていることです。すべての神社が神社庁に所属しているわけではないので、署名をしていないところもあるでしょうが。いつまで続けるのか? お正月は参拝される方が多いので、ひとまずの間は、というところですかね」(都内神社職員)
署名用紙をよく見てみると、クレジットには「東京都神社庁」とある。これは「神社本庁」の地方機関だ。神社本庁とは全国約8万社の神社を統括し、〈祭祀の振興と神社の興隆、日本の伝統と文化を守り伝えること〉を目的とする組織(神社本庁HPより)。
実際、また、別のある区の神社職員はこう語ってくれた。
「神社庁のほうで決まったことで、区の神社の会合で話し合ってやることになりまして。秋には1万人の集会がありましたしね」
この職員がいう昨秋の「1万人の集会」というのは、11月10日に日本武道館で開かれ、本サイトでもその模様をレポートした「今こそ憲法改正を!1万人大会」という“改憲大集会”のことを指すと推察される。
同大会の会場には、大勢の国会議員が詰めかけ、安倍首相も改憲への意気込みをビデオメッセージで寄せていた。大会の主催は、表向きには「美しい日本の憲法をつくる国民の会」なる団体だが、共同代表として櫻井よしこ氏とともに、田久保忠衛・日本会議会長、三好達・日本会議名誉会長の名が連なるように、中心は日本会議だ。