しかし、この「対立」、実は単なる演出で、同月末に静岡県のエコパスタジアムで行われたももクロのワンマンライブでは、前山田氏とももクロが共演。川上氏と前山田氏が抱き合って仲直りする場面もあった。ようは、「プロレス」とも呼べない、くだらない「茶番」にファンは巻き込まれたかたちだ。だいたい、川上氏と前山田氏のあいだに数年におよび確執があったことは、両者の数々の言動から明らかで、ファンも長らく心を痛めてきた。こんな茶番で回収するのは、あまりにお粗末な筋書きとしかいえない。
元メンバーで、現在は女優として活躍する早見あかりがグループを脱退する時には、素晴らしいストーリーをつくりあげ、その独創的な演出が人気を後押ししてきたももクロ。しかし、運営がこのような「茶番」しかつくれなくなっていることが象徴しているように、今年は失速が著しい。日産スタジアム・国立競技場でコンサートを行った昨年に比べ、今年はワンマンライブでの話題づくりもうまく機能したとはいえず、結果として紅白落選にまでつながってしまった。しかも、先の「紅白卒業宣言」は「お互い成長して6人で紅白共演」という早見との大事な約束というストーリーまで、ぶち壊してしまった。
来年は、五大ドームツアー(五大ドームというと関東圏は一般的に東京ドームを指すが、ここでは東京ドームではなく西武ドームとなっている)と、新しいアルバムの発売が予定されている。これらを成功させられるかどうかが、このまま沈没していくか、それともさらなる人気を獲得できるのかの分水嶺となる。ももクロにとって、来年は踏ん張りどころの年となりそうだ。
★2位 喉頭がんで声帯切除のつんく♂がハロプロの総合プロデューサーをクビに!
喉頭がんにより声帯を切除、歌手としての生命線を絶たれたつんく♂。決定的なハンデを受けた後でも音楽プロデューサーとして必死に生きる道を模索する彼の姿はNHKでドキュメンタリー番組としても取り上げられ、多くの人の感動を呼んだ。
そんなつんく♂は、9月に出版した闘病記『だから、生きる。』(新潮社)で、もうすでにハロー!プロジェクトの総合プロデューサーを降りているという事実を告白。多くのファンが衝撃を受けた。しかも、『だから、生きる。』のなかには、アップフロントグループ会長の山崎直樹氏がつんく♂の体調不良を理由に進退を進言、しかも、その提案に対し首を縦に振らなかったつんく♂の意向を無視してまで、総合プロデューサー卒業の人事が強行されていたということも明かされていた。
この強行人事により、つんく♂は今後、いち楽曲制作者の立場としてハロプロと関わっていくことになった。それにより、つんく♂が代表取締役を務めるアップフロントのグループ会社・TNX株式会社は縮小を余儀なくされることに。つんく♂は声帯除去手術を受ける入院期間中、身体にケーブルが何本も刺さっている状況で事業清算の事務作業を行わなくてはならなかったという。これまでアップフロントやハロプロに尽くしてきたつんく♂の功績を顧みない、「非人道的」と呼ぶにふさわしい山崎会長の所業である。