「産経新聞社公式HP」より
12月16日、自民党の税制調査会は、消費増税10パーセントに際する軽減税率の対象品目に、食料品に加え「新聞」を含めることを、来年度の与党税制大綱に盛り込んだ。
すでに巷では、水道や電気などの公共料金、すなわちライフラインすら対象外になった一方でどうして「新聞」だけ?という声が噴出しているが、先日、本サイトが伝えたように、もともと新聞業界は、部数減少対策として与党と政府に新聞を軽減税率の対象にするよう、表から裏から、猛烈に働きかけてきた。
「裏でも、渡邉恒雄・読売グループ会長を中心に官邸、自民党、公明党にさかんに働きかけをおこなってきました。政治報道のありようなどもからめながら、相当な裏取引があったとも言われています。それが実って、今回、軽減税率の適用が決まった」(政界関係者)
何度でも言うが、マスメディアの使命は“権力の監視”である。本サイトは、今回の軽減税率をめぐる、新聞メディアが政治権力に頭をさげるという構図は、政権批判や政策批判などの機能が損なわれる危険性が高く、「これは国民に対する裏切りだ」と指摘したが、どうやら連中はその意識が皆無のようだ。
たとえば、昨日17日放送の『みんなのニュース』(フジテレビ系)は、特集で新聞の軽減税率問題を取り上げ、街角のインタビューでも疑問の声が聞かれた。ところがスタジオトークでは、久保田るり子・産経新聞編集委員が“ネットニュースもベースは新聞。報道、ジャーナリズムは新聞が担っている”と擁護し、さらに、こんなふうに言い放ったのだ。
「新聞がないと、政権の批判もできない」
いやはや、思わず吹き出してしまったではないか。たしかに、大マスコミによる(資本と人員にモノを言わせた)報道がなければこの国の言論状況が大打撃を受けること自体は認める。しかし、いざ新聞を開いてみれば、記者クラブという特権的な場所から“お上”の発表を垂れ流すだけの記事が大半を占めているではないか。しかも、今回一番問題になっているのは、権力の監視者たるべき新聞が、既得権益のため、政府・与党へ平身低頭に“お願い”してしまったこと。久保田氏はその肝心要の論点をずらしている。