このテの暴露本は話を盛っているケースもあり、エピソードも真偽のほどはさだかではないが、しかし、「週刊文春」のインタビューを読むと、マッチがメリー氏にとっていちタレント以上の特別な存在であることは間違いない。
ただ、そうだとしても、国民的番組である紅白までが、そのジャニーズのごり押しのいいなりになるというのは異常すぎるだろう。
紅白とジャニーズの癒着問題はマッチの出演、トリだけではない。今回出場が決まったジャニーズ関連の歌手は、嵐、関ジャニ∞、近藤真彦、SMAP、TOKIO、Sexy Zone、V6。白組出演者26組のうち7組もジャニーズが占める異常事態となっている。しかも、司会は井ノ原快彦である。
実は数年前まで、紅白のジャニーズ枠は2枠と決まっていた。ところが、2009年から4枠に急増。その後、どんどん出演数を増やしていった。この背後には、制作統括である柴山哲也チーフプロデューサーの事務所べったりの体質があるといわれる。
しかも、今年はさらにある事情が、ジャニーズ乗っ取りに拍車をかけたといわれている。それは総合司会の人選だ。
「ご存知のように、当初、NHKはタモリさんを総合司会にと考えていたんですが、断られて困っていた。そこに、メリーさんがマッチの復帰とセットで、黒柳徹子さんを仕掛けたんじゃないかといわれています。メリーさんは徹子さんと仲がいいですからね。これで、NHKはますますジャニーズにさからえなくなってしまったのではないか、と」(テレビ局関係者)
しかし、いち事務所の私物化状態がここまでエスカレートしてしまったら、視聴者の反発を買うのは当然だろう。そういう意味では、マッチのトリの紅白は、国民的番組の「終わりの始まり」になるかもしれない。
(時田章広)
最終更新:2015.12.16 12:00