「実話誌は、暴力団にとってはこれまで協力してきた“身内”のようなものですからね。それが、分裂で敵対する勢力の情報を書き始めたら、暴力団の論理からすると『裏切りか!』ということになってしまう。しかも、今回の分裂騒動は、既存の媒体だけでなくネットやTwitterなどを駆使した情報戦ともいわれているくらいで、双方とも情報にはかなり気を使っています。特に六代目山口組は記者クラブを作ろうとしたほどマスコミ情報を重視してきたから、尚更でしょう」(暴力団に詳しいジャーナリスト)
『週刊実話』編集長は11月末頃、六代目山口組側に謝罪に出向き、編集長を退任したというが、なんとその際、頭も丸めていたという。
まさにヤクザ業界誌らしい“ケジメ”のつけ方だが、しかし、山口組分裂を熱心にやっているのは「週刊実話」だけではない。「アサ芸」や「週刊大衆」は大丈夫なのだろうか。
「『アサ芸』と『週刊大衆』の幹部もその後、謝罪に出向いたという情報も聞いています。この2誌については編集長の交代という話はないですが、かなり記事を書きづらくなったのはたしかでしょう。神戸山口組の情報を書いたら、山口組サイドににらまれるし、かといって、山口組の情報だけでやっていると、神戸山口組の怒りを買いかねない。もしかしたらこれから先、実話誌は報道を縮小せざるを得ないかもしれませんね」(前同)
意外な余波が広がっている山口組分裂劇。これから先、メディアの動きにも注意を向ける必要があるかもしれない。
(田部祥太)
最終更新:2016.08.05 06:20