テレビ朝日『報道ステーション』HPより
『報道ステーション』(テレ朝系)古舘伊知郎氏の「有志連合の空爆もテロ」発言は、ジャーナリズムとして真っ当な発言にも関わらず、不当なまでの批判を浴びている。本サイトではこうした批判の背景には安倍政権の煽動と、それに迎合し “自分たちに都合の悪い”現実を無視するばかりか、こぞって安倍政権をヨイショし、それに反論するメディアや著名人たちを批判するメディアの実態を報じた。そして案の定、保守週刊誌の代表格でもある「週刊文春」(文藝春秋)と「週刊新潮」(新潮社)が12月3日号で揃い踏みのように古舘批判を展開しているのだ。
まず「週刊文春」では9頁にわたるイスラム国特集の中で「『誤爆もテロ』『報ステ』古舘伊知郎の、気は確かか?」と狂人あつかいのごとくタイトルを付けた上で、中西輝政・京都大学名誉教授に古舘批判を展開させる。
「国際人道法上の責任が生じる有志連合の空爆を、庶民を狙ったISのテロと同列に並べるのは明らかにバランスを失しています。古舘氏の発言は、報道人として一線二線も踏み外していると言わざるを得ません」
中西氏といえばゴリゴリの保守論客として知られるが、ただの保守というだけでない。たとえば、先の戦争や特攻について、ヒトラーと同じスローガン「民族の栄光」を使って、高貴な戦いと公言してはばからない人物でもある。
「日本人が新たに抱くあの戦争――大東亜戦争の心象は、この精神の高貴さに満ちた「民族の叙事詩」に向けられるべきものではないのか。すなわち、「民族の栄光」としての戦争である。」(「正論」(産経新聞社)12年1月号)
しかも、太平洋戦争について、「より明確に戦争を望んだのは、客観的・公平に見て、どの視点からも中国側だということは明らかです」(「歴史通」(ワック・マガジンズ)2011年3月号)と、保守論壇でも完全否定されているコミンテルン陰謀論を声高に主張したり、最近の核実験をめぐる北朝鮮の暴走についても、中国と北の冷え切った関係を一切無視して「中国の謀略」と叫んだりと、陰謀論者丸出しの人物なのだ。
さすがの古舘氏もこんなトンデモ学者に「バランスを失している」などと言われたくないだろうが、さらに、中西氏が問題なのは、安倍首相の“親衛隊” であり“ブレーン中のブレーン” だということだ。