「日刊ゲンダイ」11月13日付紙面より
日本大学名誉教授が指定暴力団山口組の元幹部から2000万円を借り入れていた問題は、2008年、その教授と元幹部の会食の席に日本オリンピック委員会(JOC)関係者の男性も同席していたことも発覚。事態は広がりを見せているが、この件に関し、JOC関係者のみならず、ある大物芸人の名も取り沙汰され始めている。
それを伝えたのは、11月13日の「日刊ゲンダイ」。記事によると、今から10年ほど前、この暴力団元幹部が出資する健康茶の広告塔として、東京出身の大物芸人Sが出演番組でしきりに推奨していたという。結果商品は大ヒット。暴力団関係者から出資を受けていた健康茶販売会社の社長はSにロールスロイスをプレゼントということだ。
この「S」とは誰なのか? 同紙によると、この芸人は「紳助以上の大物」。巷では志村けんなどの名前も飛び交っているが、その真偽はともかく、暴力団問題が芸能界にまで飛び火しそうなのは間違いない。
「芸能界」と「暴力団」といえば、日刊ゲンダイも引き合いに出していた島田紳介の事件も記憶に新しいが、この機会にその歴史について少し振り返ってみたい。
巷間知られている通り、もともと、「芸能界」と「暴力団」の結びつきは非常に強固なものだった。山口組が田岡一雄3代目組長時代に設立した「神戸芸能社」が美空ひばりの興行を手がけていたことはあまりにも有名だ。ちなみに、彼女の弟は山口組直系組である益田組に入り、1973年にはそのトラブルが原因となり美空ひばりは紅白歌合戦への出場を辞退している。
美空ひばりもそうだが、芸能界と暴力団のつながりというと、なんといっても演歌界ではその結びつきがことさらに強い。そのなかでもよく知られているのは、北島三郎だろう。彼と稲川会との関係は深く、84年、稲川聖城総裁をモデルに製作された映画『修羅の群れ』の主題歌に「神奈川水滸伝」を提供、その曲は後に稲川会の会歌となった。さらに86年には稲川会の新年会に出席していたことが問題となり、弟子の山本譲二ともどもその年の紅白歌合戦出場を辞退するという騒動も引き起こしている。