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「軽減税率で消費税ネコババ増」は嘘! 現実に起きるのは増税分を価格転嫁できない零細業者の破綻、税金滞納だ

 実は税金の学問である財政学の現場では語りつくされた理論上の「益税」よりも「損税」の実際上の深刻な問題がクローズアップされている。

「仕入れに含まれる税額を販売価格に上乗せできなければ、事業者が消費税を実質的に負担してしまう。また、大企業に商品を納入する中小企業が、売上税額分を納入価格に上乗せできずに、本体価格の引下げを迫られて、やはり消費税を負担してしまうことがある。これらは『益税』とは反対の現象、つまり『損税』と呼ぶことができる」というのは、『現代財政を学ぶ』(池上岳彦・編/有斐閣)だ。

「中小企業庁が2002年に行った『中小企業における消費税実態調査』では、売上高1000万円以下の零細事業者のうち、じつに67%が『仕入・購入段階の消費税分のみ』もしくはそれ以下しか転嫁できていないと回答した。そのなかでも『消費税分はほとんど転嫁できていない』と回答した者が46%に上った」(同前)

 転嫁できなければどうなるか。消費税の滞納だ。滞納とは、所得税や消費税といった国税が納期限までに納付されず、督促状が送られたものをいう。この滞納がいちばん多い国税が消費税なのだ。

 国税庁「平成26年度租税滞納状況について」によれば、国税全体では、平成26(2014)年度に属する滞納状況の新規発生額は5914億円、前年度(平成25年度)の5477億円より437億円(前年度比8%増)増加した。このうち、消費税は新規発生額5914億円のうち半数以上の3294億円(前年度比17.1%増 全体の55.7%)を占めるのだ。

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