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平均の20〜50倍!「福島の子供にがん急増」の客観的データが学会で報告されるも政府とメディアが完全黙殺

「日本はこうしたデータには少しも触れず、何万人のスクリーニング検査をするのは世界初めてで何もわらかないという説明がなされています。チェルノブイリの経験を学ばず、人体影響に関する論文をほとんど読まない中で、日本ではアナウンスが行われている。これは日本の保健医療政策が非常に遅れている点だと認識していただきたいと思います」

 現在の医学界を、そして放射能に対する対応や評価を痛烈に批判する津田教授。それは同時に、原発事故の健康被害をできるだけ少なく、いや出来れば皆無にしたい日本政府に対して、医学的、科学的、データ的見地を主張するどころか、ひたすら追随する現在の医学界への批判でもある。医学界もまた政府、電力会社の意向に従順に従い、利権の温存を目論む“原発ムラ”の一員だったことが改めて証明されたともいえる。

 こうして正確な情報は遮断され、福島県に住む人々は自衛の手段さえ取れない事態となっていく。津田教授は正しい情報の大切さをこう述べている。 

「詳細な情報を与えるだけで、有害な被爆はケタ違いに少なくなる。きめ細やかな、コストのかからない対策はいくらでも思いつく。福島県に住み続けなければならない人ほど、正しい知識を与えられなければならない」

 チェルノブイリ事故では甲状腺がんは5年目に激増した。来年、事故後5年目に突入する福島県の子供たちのためにも、正確な情報とその理解と対策が一刻も必要だ。
(伊勢崎馨)

最終更新:2015.10.19 07:21

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