映画で戦争を描くとき、一歩間違えれば戦争の悲劇を伝えるどころか、単なる戦争賛美ファンタジーに陥ってしまうことは往々にしてある。しかし、二階堂はこう語っている。
〈ただただ感動させる戦争映画を駄目と思う気持ちもありません。そういった映画が果たしている役割も大きいはずです。最も良くないのは、終わったことだからと忘れてしまうことです〉(「文學界」文藝春秋/15年9月号)
戦争が起きたら、我々の生活はどうなってしまうのか? そのことを国民が忘れてしまったとき、そのときが戦争の起きる瞬間なのかもしれない。
(新田 樹)
最終更新:2015.10.17 07:41