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安倍首相が「日本の美」懇談会座長に据えた津川雅彦の“ネトウヨ脳”がスゴい! 徴兵制復活、「東北は贖罪適格者」発言も

「戦争に対する反省と憎悪」などと言っているが、なにせ映画で東條英機役がやってきたときは「嬉しくて震えた」と言う彼にそんなものがあるはずもなく、口から出てくるのは軍国主義肯定論ばかりだ。

「女性はちゃんと子どもを育ててこそ一人前になれる。男は徴兵に行き国を護る訓練をして一人前になれるんじゃないかと僕は思っているんですがね」(前出「月刊MOKU」)
「米国におんぶに抱っこされ、自国を守るために他国の青年の血は流させても、自分の血は流したくない卑怯な日本人に成り下がった。故郷を守れない輩を日本人と呼べるのか?」(夕刊フジ/15年8月4日)

 侵略・特攻の美化に、徴兵制の復活……。ネトウヨ思考が完全にできあがっているように見えるが、当の本人は「保守派なんかだと見くびらないで欲しい!言うなれば縄文派だ!」(12年8月29日のブログより)と宣言。じつは、津川の3つ目の口癖は、この「縄文」である。

「「人の和」を大切にする社会は、縄文中期からはじまっている。「権利」なんて「和」に比ぶれば、卑猥な理念に違いない。いちいち権利を主張し、裁判に委ねる社会ほど幼稚だとも言える。平和な世界が実現するためには、和の理念と文化が必要なのだ。(中略)
 ゆえに、新しい憲法の序文には、互いを思いやることで築く和の精神と、人と人の間で権利を守る統治国家を築くことを謳い、真の「日の出ずる国」を創ることを宣言すべきだ」(「WiLL」ワック/11年9月号)

 どうやら津川の主張は、「個人の権利を振りかざすなどナンセンス、法治国家なんかやめて統治国家を築くべき! そう、縄文こそが真理!」……ということらしい。

 そして、こうした縄文精神をもった日本人を“GHQと左翼と日教組”が堕落させ、国民は愛国心を失い、ついでにウーマンリブ運動が無責任&子を産まない女を増殖させた、と津川は言う。ずいぶんアクロバティックな話だが、しかし神経を疑わざるを得ないのは、その先。この堕落した日本人の“罪”を背負うために「キリストの如く贖罪適格者として白羽の矢が当てられたのが、日本の元祖である東北の人々」と主張している点である。つまり、GHQと左翼と日教組とウーマンリブという“罪”が、東日本大震災を引き起こしたというのだ。

 自分が組み立てた歴史観から外れたものはことごとく敵視し、すべての責任を押しつけ、挙げ句、震災さえそのせいだとのたまう──。もはや老害という言葉しか思いつかないが、こんな人物が、世界に文化を発信する会議の座長であり、しかも、オリンピックの開会式の提言まで行おうとしているのである。

 このままだとオリンピックでは、土偶の着ぐるみと特攻隊員が隊列をつくり日の丸を掲げる……などという冗談のような地獄絵図が開会式で繰り広げられるのかもしれない。
(水井多賀子)

最終更新:2015.10.16 07:18

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