小藪の暴論に坂上は…(左・吉本興業株式会社公式HP 芸人プロフィールより/右・アヴァンセプロダクション・スクールHPより)
安保法制の強行採決に公約違反のTPP合意、内閣のお友だち人事……。安倍政権のやりたい放題は、もはや独裁政治と言っていい状態にあるが、そんななか、お笑い芸人の小藪千豊が「独裁待望論」を語って、話題を集めている。
小籔の発言が飛び出したのは、10日に放送された『池上彰のニュースそうだったのか!! 2時間SP』(テレビ朝日)でのこと。この日の番組テーマは「民主主義」。番組後半では、資本主義/社会主義、独裁/民主主義という縦横軸のマトリクスをつくり、世界の国をマッピング。池上は日本を、資本主義度が高く、民主主義度はそこそこ、というアメリカの下・イギリスの上という位置に配置。その上で、日本はどこの位置を目指すべきだと思うか?とひな壇のゲスト陣に問いかけた。
そこでゲスト席の北村晴男弁護士と坂上忍は、民主主義度が高く、かつ資本主義と社会主義の境目あたりに位置するドイツやフランス、オランダなどの位置がいい、と意見。資本主義でありながら社会主義的な福祉政策を取り入れているそれらの国々の位置あたりで「ちょろちょろして実験を繰り返す」のが良いのでは……。そう北村と坂上が話をしていると、「お言葉ですけど、僕はそれには反対です」と言い、割って入ったのが小籔だった。
「僕はライト独裁。ちょっと独裁に寄る。独裁する人をみんなで決めて、独裁する人のギャラ減らす。ほんで、その人の任期が終わったときに良かったらみんなで国民投票していっぱいお金あげる。民主主義独裁です」
「いま、民主主義やったら、みんなで話し合いますやん。じゃなくて、『お前、全部決めてエエわ』って」
まあ、いかにも小藪らしい物言いではある。このところ、情報番組やワイドショーのコメンテーターに引っ張りだこの小藪だが、口をついて出るのは大概、“遅れてきた頑固オヤジの俺、カッコええやろ”の空気を全開にした保守的主張。安保法制についても、反対デモを批判するコメントや、安倍政権に丸ノリした中国脅威論を連発していた。
しかも、小藪はもともと“浪速の独裁者”の橋下徹とべったりの関係だ。2011年には彼の主宰するイベント「コヤブソニック」に橋下市長が特別ゲストとして登場したこともあるし、都構想の住民投票のときには、自分のツイートで、「住民説明会行ってない方 個人的にコレわかりやすかったです」などと維新HPを紹介。公平なふりをして、ウソと誇張だらけの維新側の説明会動画をオススメする応援団ぶりを見せつけた。