安倍政権は、国際社会にまで恥をさらす気なのか……(YouTube「ANNnewsCH」より)
旧日本軍による「南京大虐殺」に関する資料が、ユネスコの世界記憶遺産に登録されたことに、日本政府が猛反発している。
もともと、昨年、中国側が申請を行った直後から、日本政府は「ユネスコの場を政治的に利用している」として取り下げを求めていた。
この問題の対策を検討していた自民党の「国際情報検討委員会」委員長である原田義昭・元文部科学副大臣は、今月2日の会議後、「南京大虐殺や慰安婦の存在自体を、我が国はいまや否定しようとしている時にもかかわらず、(中国が)申請しようとするのは承服できない」と宣言している。
そして今回、南京大虐殺の登録が発表されると、外務省が以下のような報道官談話を出し、中国とユネスコを批判したのだ。
「南京事件は、日中間で見解の相違があるにもかかわらず、中国の一方的な主張に基づき申請されたものであり、完全性や真正性に問題があることは明らかだ。これが記憶遺産として登録されたことは、中立・公平であるべき国際機関として問題であり、極めて遺憾だ。ユネスコの事業が政治利用されることがないよう、制度改革を求めていく」
しかも産経新聞の報道によれば、日本政府筋は「断固たる措置を取る」として、ユネスコの分担金拠出などの一時凍結すら検討する構えを見せているという。
いったい日本政府は何をトチ狂っているのだろうか。外務省や菅義偉官房長官、原田委員長は、まるで南京大虐殺といった事実はないのに中国とユネスコが捏造して遺産登録をしたかのような主張をしているが、そもそも、1937年の南京陥落前後に日本軍が中国人捕虜や民間人を虐殺したことは、日本政府も認めている客観的事実である。
当時の虐殺行為は中国側の被害者たちだけでなく、旧日本兵たちが数千人規模の中国人捕虜を集めて機関銃で殺害したことなどを証言している。