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島尻新沖縄担当相に佐藤優が「存在自体が日本の恥」「吐き気をもよおす」と激怒! その理由とは?

 佐藤氏は、前述の島尻発言の直後から、「アサヒ芸能」(徳間書店)での連載で、島尻氏が宮城県出身で沖縄にルーツをもたないこと、04年に民主党公認で那覇市議補選で初当選した翌年に離党し、自公推薦で参議院議員になったこと、そして、普天間に関しては10年参院選で「沖縄県外移設」を公約に掲げて再選したが、13年には公約破棄し辺野古移設容認へ転じたことなどを示したうえで、こうこき下ろしている。

〈島尻氏の釈明は支離滅裂で説得力がまったくない。「危険な行為に先んじて対策を打つ」というのは、まさに「事前に反対運動を取り締まれ」ということだ。糞に「綺麗な」という形容詞をつけて「綺麗なウンコ」と言えば、世の中は納得すると思っているのだろうか? このような低レベルの釈明をする国会議員が存在すること自体、日本の恥だ〉(同誌2月27日号)
〈吐き気をもよおすような下品な政治屋だ〉(同3月6日号)

 かなり直接的で苛烈な言い回しだが、佐藤氏の“怒り”は論理的に“筋”がとおっている。最近発売された『沖縄と本土』(朝日新聞出版)に寄稿した文章のなかで、佐藤氏はこのように書いているのだ。

〈日本本土と沖縄との米軍基地負担比率は、52年の時点で9対1。72年の沖縄返還前後で5対5。いまでは1対3になり、沖縄の基地負担が年を追うごとに重くなっていったことがわかる。その理由は、主権を回復した日本本土において反基地闘争が厳しくなったことで、日本国憲法下になく、アメリカが自由に振る舞える沖縄に基地を移していったからだ。普天間基地の海兵隊はもともと山梨と岐阜に駐留していた。
 日本本土に置かれた米軍基地という面倒な施設は沖縄にもっていく。そして日本本土は平和と繁栄を維持した。こうした戦後の歩みの違いが、沖縄と日本本土との間の「ねじれ」を生み、それが構造的な差別になった。構造化されているがゆえに、中央政府には沖縄に対する差別が見えないのだ〉

 しかし、佐藤氏が指摘する沖縄への構造的差別について、島尻氏は沖縄紙の取材でこう答えている。

〈沖縄への米軍基地の集中について「構造的差別」との指摘があることに対しては、「差別には全く当たらない。本土と沖縄の間に誤解があれば解くべきだ」〉(琉球新報14年2月7日付「社説」)。

 ようするに島尻氏は沖縄にある構造的な差別をまったく意識できていないのだ。おそらくこうした島尻氏の政治的鈍感さが、佐藤氏は許せないのだろう。

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