左・「参議院議員 島尻あい子」ホームページより/右・佐藤優『日本国家の神髄』(扶桑社新書)より
「いったいなぜこの人選なんだ?」。トンデモ議員だらけの面子に批判と疑問の声が絶えない内閣改造人事だが、とりわけ疑問視されているのが、沖縄北方担当相に抜擢された島尻安伊子氏だ。
島尻氏は2004年の参院選沖縄選挙区に無所属(自公推薦)で出馬・初当選後、自民党に入党。安倍首相が目玉として掲げる「女性の活躍推進」のひとりとして当選2回でありながら起用された。
中央メディアでは「地元選出の議員だから」という認識しかされていない島尻氏だが、県民の8割が普天間基地の辺野古移設反対と答えている沖縄では彼女への不信感はすこぶる根強い。
たとえば2014年2月、島尻氏は国会質疑のなかで、稲嶺進名護市長が辺野古移設を阻止すると主張していることについて「政治目的から行政の権限を濫用することは地方自治法上問題だ」と批判。さらに、住民らの反対運動に対しては「危険な行為に先んじて対策を打つことが必要」などと“反対運動の予防拘禁”と取れる提言を行い、沖縄メディアは大きく問題視した。
のちに島尻氏は沖縄紙の取材に対し「事前に反対運動を取り締まれという趣旨ではない。反対活動家、業者側の双方に不慮の事故が起こらないよう警備をしっかりすることが重要だ」と釈明したが、ようするに“沖縄県民は黙って国策に従えばよい”という考えを持っているのは明白だ。
実は、こうした島尻氏の発言に対し、立て続けに苛烈な批判を行っていた人物がいる。元外務省主計分析官で作家の、佐藤優氏だ。