衆議院議員 加藤 勝信HPより
7日に発足した第三次安倍改造内閣。19人中9人が初入閣となったが、そのなかでも「目玉人事」として話題を集めたのが、「1億総活躍社会」担当相・拉致問題担当相に抜擢された加藤勝信氏である。
加藤氏は大蔵省(現・財務省)出身、第二次安倍内閣では内閣官房副長官を務め、安倍首相のスピーチライターのひとりではないかとも目される人物。メディアは加藤氏を「政策通」などと称えている。
だが、大臣抜擢の真相は「政策通」などという話ではないようだ。安倍首相お得意のおトモダチ人事を超えた、“閨閥人事”といっていいだろう。
そもそも勝信氏は、国土庁長官や農林水産大臣を歴任した自民党の大物議員・加藤六月氏(故人)の娘婿。六月氏は安倍首相の父・晋太郎氏の側近中の側近と呼ばれ、そのため安倍家と加藤家は家族ぐるみの付き合いを行ってきた。たとえば、六月氏の長女で「明治日本の産業革命遺産」の世界遺産登録の陰の立役者とも言われる加藤康子氏は安倍首相とは幼馴染みの関係。既報の通り、安倍首相は康子氏に「これ(世界遺産登録)は、俺がやらせてあげる」と明言していたほどだ。
しかも、安倍家と加藤家の繋がりを語る上で忘れてはいけないのは、六月氏の妻・睦子夫人と安倍首相の母・洋子氏との関係だ。ふたりは「姉妹のよう」とも言われるほどの仲で、洋子氏の加藤家および加藤家を継ぐ勝信氏への思い入れは強い。マザコンと呼ばれる安倍首相にとって洋子氏は頭の上がらない存在だが、第二次安倍内閣における勝信氏の官房副長官抜擢には洋子氏の強い推薦があったことが報道された。
今回の大臣抜擢も、当然、洋子氏の意向が働いていると見て間違いないだろう。
一方の勝信氏も婿入りしたのは、こうした政治的後ろ盾を得ることが目的だったはずだ。“娘は官僚と結婚させたい”という六月氏に見初められた勝信氏だが、当初は姉の康子氏とお見合い、婚約していた。だが、康子氏から留学を理由に婚約破棄されると、なんと勝信氏はそのまま、妹・睦子氏と結婚したのである。このなりふりかまわぬ野心家ぶりは、霞が関でも語り草になっているほどだ。