しかし、森山氏は「組事務所の1階にはいたが、暴行事件のあった4階の現場は目撃していない」と容疑を否認したという。
「県警は検察も巻き込んでかなり慎重に捜査を進めたが、結局、鹿児島市議会議長という大物ということで、事件化されないまま終わった。ただ、報道が大きくなされたため、森山氏が自ら『世間を騒がせたので、けじめをつけたい』と市議会議長を辞職することで決着をつけた形でした」(地元紙関係者)
森山氏は当時、報道機関に対して、「中古車販売業者が激しい取り立てに遭い、ら致されたと親族から相談を受けて、助けたいと思った。兄の外車販売会社社長から『料亭の前まで来てほしい』と呼び出しがあり、料亭の前にある暴力団事務所に結果的に出向いてしまった。今からしてみれば、軽率な行為だった」などと意味不明な釈明をしていた。
だが、森山氏がどう言い訳しようとも、この農水大臣が暴行のあった組事務所内で待機しており、暴力団への依頼者サイドに立っていたのは間違いない。実際、森山氏は他にも、暴力団幹部の子供の誕生祝いに出席していたことなども発覚。鹿児島では、その“黒い交際”は知る人ぞ知る事実なのだ。
26年前の事件とはいえ、暴力団との交際の過去がある政治家を閣僚に起用するのは、不適切きわまりない。しかも、現内閣は指定暴力団「山口組」や「工藤会」の壊滅作戦をうたっているのではなかったか。そんな政権で、暴力団の暴行事件の現場にいるような人物が閣僚の椅子に座っていていいのか。
そして、森山新大臣は暴力団との“黒い交際”を解消できているのかどうか。ぜひ就任会見で追及してもらいたいところである。
(小和田三郎)
最終更新:2015.10.10 08:28