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ライムスター宇多丸が安保反対デモに参加! 宇多丸が語るSEALDsの面白さ、そして、日本語ラップの評価とは…

「ちなみにこの感じ、10年ぐらい前かな? サウンドデモというね、要するに新しい形の社会運動みたいなのを模索する流れで、DJが出て、こう、なんて言うんですかね。いままでのデモの形とぜんぜん違うデモのスタイルでサウンドデモみたいなのが始まった」

 宇多丸が指摘する通り、SEALDsの示したデモのかたちは、10年以上前、イラク反戦運動などに呼応して誕生したサウンドデモと地続きにあるものだ。

 トラックの荷台でDJが音楽をかけたり、ミュージシャンがライブをしたりと、路上で音楽を楽しみながら自由でラフに政治的主張を展開するサウンドデモは、普段政治に興味をもたない若者も取り込み、大きなムーブメントへとなっていった。

 その運動にはプロのミュージシャンも積極的に参加。「AERA」(朝日新聞出版)2006年6月19日号では、このように紹介されている。

〈ボアダムスのヤマタカアイや、ムードマン、中原昌也やチャリ・チャリといった面々がDJを務めた。元ピチカート・ファイヴの小西康陽に至っては、わざわざその日のためにすべて新曲を用意してくる力の入れようだった〉
〈スチャダラパーやライムスターら、数多くの人気ミュージシャンが飛び入りで参加することもたびたび。都会をにぎわす盛況な街頭デモに発展した。スチャダラパーのシンコは、
「参加者がみんなニコニコしてるのが印象的だった」
 と話す。
 反戦を基本としながらも、一連のサウンドデモは、「意思表示をもっと楽しくやりたい」というポップな思いに比重がある〉

「意思表示をもっと楽しくやりたい」というサウンドデモの思いは、SEALDsの立ち上げ人である奥田愛基氏の「日本だけが、ダサくても社会運動だから許されるなんておかしいですよ。デモに参加するのがダサいってのもヘン。普通の人が、普通に参加できるデモって、民主主義の最低限の要素だって思ったんです」(「FLASH」15年9月8日号/光文社)というものと、まさしく同じ考えだろう。

 また、SEALDsの姿勢には、オルタナティブな生き方を模索した「だめ連」や、松本哉率いる「素人の乱」による活動と共通する部分もある。たとえば「素人の乱」は「面白さ」を追求した行動を指針とし、「放置自転車の撤去反対」「家賃をタダにしろ」「クリスマス粉砕」といったデモは、若者が「参加しやすい」「参加したくなる」デモ活動の先駆けでもあった。こうした活動に対し、『文化=政治 グローバリゼーション時代の空間叛乱』(月曜社)などの著書をもつ東京芸術大学の毛利嘉孝教授は、「論座」(朝日新聞出版)07年4月号でこう語っている。

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