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礒崎首相補佐官に続き官邸推薦の憲法学者も「法的安定性関係ない」「中国に対抗するため安保法は必要」…もはや日本は法治国家じゃない

 しかし、こんなものは序の口。さらに驚いたのが、浅野氏の次の発言だ。

「武力行使と一体化という点については、法令自体が違憲かどうかということと、法令が違憲に運用されるかどうかは別の話です。自衛隊が違憲運用される可能性を言い出したら、キリがありません」

 多数派の憲法学者が言っているのは、この法令の文言だと自衛隊が違憲運用されることになる。だから、この法令は違憲だという論法だ。これに対して浅野氏は、自衛隊が違憲運用される可能性を言い出したらキリがない。だから合憲だ――と言うのである。これが本当に法律家の物言いなのだろうか。

 その後も、彼らの言いたい放題は続く。

 百地「現時点で集団的自衛権の行使は違憲とする憲法学者が多いのは事実ですが、合憲か違憲かは学者の数の問題じゃありません」
 百地「そもそも集団的自衛権は国際法上の権利で(中略)、すべての国連加盟国に認められています」
 長尾「集団的自衛権に反対する声があること自体が異常ですが、それを異常と認識しない人々もまた異常と言わざるを得ません」

 だが、いつまで経っても違憲論者に対する悪口ばかりで、“合憲”とする論拠が出てこない。あえて言えば、「集団的自衛権は国際的に認められた権利」であり「砂川判決で最高裁も認めている」ということだけで、「法的安定性の確保」がなくても、「武力行使と一体化」してもオッケーという論理だ。なぜ、こんな理屈が通るのか。鼎談の後半で、百地氏が本音を語り始める。

「国民はやはり、中国の軍事的脅威を感じていると思います。東シナ海では尖閣諸島の領有権を主張し、周辺海域で連日のように領海侵犯を繰り返しており、ガス田では勝手な開発に加えてレーダー基地の設置も進めているという。南シナ海では岩礁を埋め立てて軍事拠点を築き、日本のシーレーンも脅かされています。(中略)これこそが、集団的自衛権の行使を背景にした安保関連法案の成立を急がねばならない最大の理由です」

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