「名誉回復とか言う前に、まず、父親の責任を明らかにしろ」というまるで冗談のような話だが、この報道で、彼らがいかに卑劣なやり口で“やったこと”を“やっていない”と言い張っているかが、少しは伝わるのではないだろうか。(ちなみに、フジ産経グループの総帥だった鹿内信隆にも今回と同様、慰安所づくりへの関与発言があり、やはり本サイトが記事にしているので、こちらもどこか大手マスコミが取り上げてくれないだろうか)。
『報道特集』にエールを送る意味で、本サイトもこの問題を扱った記事「中曽根元首相が「土人女を集め慰安所開設」! 防衛省に戦時記録が」を再録することにした。記事配信当時は掲載していなかった、中曽根が慰安所づくりを主導していたことを証明する「海軍航空基地第2設営班資料」の複写も掲載するので、ぜひじっくり読んでいただきたい。
(編集部)
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朝日新聞の慰安婦訂正記事で右派陣営が勢いづいている。「朝日は責任をとれ!」と気勢をあげているのはもちろん、自民党の政務調査会議は河野談話も朝日報道が前提だとして「河野談話を撤回し、新たな官房長官談話を!」とぶちあげた。また、同党の議連では朝日新聞関係者、さらに当時の河野洋平元官房長を国会に招致して聴取すべき、という意見までとび出している。
だが、朝日や河野洋平氏を聴取するなら、もっと先に国会に呼ぶべき人物がいる。それは第71代日本国内閣総理大臣の中曽根康弘だ。
大勲位まで受章した元首相をなぜ従軍慰安婦問題で審訊しなければならないのか。それは先の大戦で海軍主計士官(将校)の地位にあった中曽根元首相が、自ら慰安所の設置に積極的に関わり、慰安婦の調達までしていたからだ。
何かというと左翼のでっちあげとわめきたてて自分たちを正当化しようとする保守派やネトウヨのみなさんには申し訳ないが、これは捏造でも推測でもない。中曽根元首相は自分の“手記”の中で自らこの事実を書いており、しかも、防衛省にそれを裏付ける戦時資料が存在していたのだ。そこには、部隊の隊員によるこんな文言が書かれていた。
「主計長の取計で土人女を集め慰安所を開設」
まず、“手記”の話からいこう。中曽根が慰安所設立の事実を書いたのは『終りなき海軍』(松浦敬紀・編/文化放送開発センター/1978)。同書は戦中海軍に所属し、戦後各界で活躍した成功者たちが思い出話を語った本だが、その中で、海軍主計士官だった中曽根も文章を寄稿していた。