あかり「じゃあ、ズバリ言うけど、今回の安保法制、憲法違反だよね」
ヒゲ「そーりゃ大変だ」
あかり「超大変だよ。この時代に立憲主義の否定なんて。どこの独裁国家って感じ。ありえない。恥ずかしすぎて国際社会に顔向けできないんだけど」
ヒゲ「そんなことない。でも、本気で心配なんだね。大事な問題だよね。政治をあずかる私たちも真剣に考えているんだ」
あかり「真剣に考えているわりには、真剣に国民に説明する気はなさそうだけどね。国民の8割が説明不足、6割が反対って言ってるのに、理解を得られなくても決めるって、首相も高村(正彦・副総裁)さんも言ってたよね。戦争法案って批判されたら名前だけ変えてみせたり、まったく詐欺師かよって話だよ」
ここ一ヶ月、安保法案を検証するのが日課になっている本サイトからみても、あかりちゃんの毒舌は的確な批判だ。この後、「改憲したいならしたいで堂々と筋とおせよ」と皮肉るあかりちゃんに対して、ヒゲの隊長は“国際情勢の変化”と“ミサイルの脅威”を持ち出すのだが……
ヒゲ「実際に日本にミサイルを向けている国があるの知ってる?」
あかり「中国って言いたいんでしょ? はっきり言えよ。しかもなんか最近ミサイル向けられたみたいな言い方してるけど、ミサイルの照準が向いているのは冷戦期から変わってないんだけど。なんのために危機感煽ってるの?」
ヒゲ「もし、現実にミサイルを撃ってきたらどうする?」
あかり「現実にミサイル撃ってきたら個別的自衛権で対応できるでしょ。あんたたちが無理やり押し通そうとしてる集団的自衛権の話とは関係ないよね。それにミサイルを撃たせないようにすることが政治なんじゃないの? ちょっと煽られただけで大騒ぎするなんてプライドだけ高くて気が安いボンボンの発想だよね」
とメッタ切りにされてしまう。実際、ヒゲの隊長だけでなく、安倍首相が意味不明の比喩を用いて説明する集団的自衛権発動の具体例もまた、ほとんどが個別的自衛権の範疇に収まるものばかり。ヒゲの隊長は、閣議決定後の首相会見と同様、“自衛隊のスクランブル発進は10年前の8倍だ”と中国の脅威をアピールするのだが、これにも、あかりちゃんは「そもそも冷戦期にはそれ以上の発進回数があったのに、あえて最低の回数だった10年前と比べる理由は?」と、鋭く切り返すのだ。そして、「北朝鮮も核実験を繰り返しているし、最近はテロや、サイバー攻撃も本当に深刻。私たち日本人もいろんな脅威にさらされているんだ!」という例の決まり文句にもこう返す。