さすがは哲学好きアイドル。ニヒリズムをぶつけ、見城“先輩”に人生の意義をどう考えるかを問うたのだ。これに見城は早朝6時から「君には気になる何かがある」と反応。「かなりの確率でやがて売れるような気がします。人生ですか?人生は一夜の夢ですね(笑)」「今、須藤のトークを見た。オリジナリティとセンスがあって面白い。頭もいいし。応援するよ。秋元にも聞いてみる」と返答したのだ。
じつは彼女、見城へのものと同じ質問を秋元にも行っていたのだが、秋元の返事は「君も「人生に意味はない」という意味を持っているのでは?」という、よく意味のわからないものだった。突撃してきたメンバーを意味ありげな言葉で煙に巻くのは秋元のお得意パターンで、要は須藤を適当にあしらったのだが、しかし、見城は違った。哲学の匂いがする17歳の少女にすっかり胸を射抜かれてしまったのだ。すると秋元はころっと手のひらを返し、「狙った不思議ちゃんではなく、我が道を行く感じが面白いです」「須藤凜々花は、AKBグループの金子みすゞかもしれません」などと須藤を褒めそやしはじめたのである。
それにしても、すごいのは須藤である。たった1回のやりとりで見事に見城を骨抜きにしただけでなく、秋元にとって頭の上がらない人物に自分を認めさせたのだから。たしかに、秋元にはビジネスの脳しかないが、一応、文系の見城おじさんには“哲学を愛する少女”というキーワードにグッとくるはず。もしそこまで見抜いていたのなら、須藤はやはり頭のいい人である。
さらに、見城が「夜探し 松茸猛り 栗とりす」と恐ろしく下世話な句を投稿すると、すかさず須藤は「素晴らしい一句ですね…!! 最高です立場上口に出して言えないのが悔やまれます…」とコメント。すると見城は「あの句を褒められるのは嬉しいけど、照れ臭いな。ウケだけを狙って作ったものです。でも有難う。君とは秋元康さんと相談しながら大きな仕事をしたいと願っています」と超ご機嫌に。──そんな句を褒められて小躍りするとは、おじさんの悲しき性を見せつけられた思いだが、見城の須藤への愛はもう止まらない。
あるときは自分も登場する五木寛之の対談集の話から、「五木寛之さんがあとがきで書いてくれた僕への言葉が凄く嬉しかった。りりぽん!この本のあとがきを読むように!」と命令したり、あるときは須藤が、自分をベタ褒めする見城へ返信の言葉が見つからなかったのか「モテる秘訣はなんですか!?」と質問すれば、「モテないよ」と言いつつ、「いつもリスクがないと面白くないし、結果も鮮やかにならないよね。それを繰り返していると、少しは格好いいと思ってくれるのかもしれない」と、結局はモテの秘訣を語り出したりと、ウォッチしているこちら側が恥ずかしくなるような発言を連発しつづけている。