左/首相官邸HPより 右/西川公也公式WEBサイトより
2月23日、西川公也農林水産相が不正献金問題で辞任した。不正発覚以来、官邸はずっと西川農水相をかばい続けてきたが、今週発売の週刊誌にさらなる決定的な疑惑が報じられることがわかったため、先手を打ったということのようだ。
小渕優子経産相のときと同じ素早い疑惑隠しのやり口だが、実は、この西川農水相不正献金問題をめぐってはもうひとつ、安倍政権のとんでもない謀略体質が露わになっている。
2月19日の国会で、民主党の玉木雄一郎衆院議員がこの問題を追及。それに対して、安倍首相が「日教組!」「日教組どうすんだ!日教組!」というヤジを飛ばしたことは読者の皆さんもご存知のはずだ。
総理大臣自らヤジをとばす、というだけでも驚きだが、玉木議員が日教組とはなんの関係もなく、質問にもまったく日教組と関連のある要素がなかったため、与党議員の間からも「安倍首相は大丈夫か」との声があがったという。実際、都合が悪くなると誰彼かまわず「日教組」と叫んで相手の発言を封じ込めるというのは、そのへんのネトウヨと同じであり、とても総理大臣の言動とは思えない。
しかし、この問題はたんに安倍首相の頭の悪さ、ネトウヨ脳を証明しただけでは終わらなかった。
この質問があった翌日20日、質問者である玉木議員のもとに安倍政権の御用メディア・産経新聞と夕刊フジから取材申し入れがあった。安倍首相のヤジについて聞きにきたわけではない。両紙はなんと、玉木議員の政治資金収支報告書に問題があると取材をかけてきたのである。
だが、この2紙が持ち出してきた問題は、いちゃもんとしか思えないようなものだった。平成22年の政治資金収支報告書で同一人物が代表をつとめる8社が合計で280万円のパーティー券を購入していることが脱法行為に当たると言ってきたのだ。
5年も前の話を持ち出してくるというのも不自然だが、この8社は所在地や事業内容も異なっており、実態もある。そうした場合、同じグループの複数の企業から献金を受けたり、パーティ券を購入してもらうことは多くの自民党議員もやっていることで、違法性がないことは総務省でも確認されている。
そこで、玉木議員は自ら取材に応じ、資料等も見せた上で丁寧に説明。二人の記者も違法性がないことは納得したという。