さくら夫人へのインタビューは5時間にも及ぶものだったが、「宝島」によれば、その内容は週刊誌としては“使えない”ものだったらしい。同誌には、こんな関係者のコメントが掲載されている。
「なにしろ、さくら夫人の証言は二転三転したらしいですからね。例えばイタリア時代のブログについても、『家族を安心させるためだった』と言っていたのが、なぜか『途中でやめたが、友人達が勝手に更新した』『妹が勝手に更新した』と変遷……辻褄が合わないことの連続だったようです」(週刊誌関係者)
「結婚歴について聞くと『ストーカーが』『レイプされそうになって』など、話自体がよく分からないものだった」(前同)
しかも、インタビューでは語らなかった事実がネットで連日暴露され、「新潮」はいったん原稿をボツにすることも検討したという。しかし、百田はこれに強硬に抵抗。新潮社の上層部にかけあうなどしたため、「新潮」としては長女のコメントを掲載し、検証記事の体裁を取らざるを得なかったというのだ。
こうして出来上がった原稿だが、しかし、「新潮」編集部は校了直前まで振り回され続けることになる。「さくら夫人はなぜか校了直前、記事内容の大幅な差し換えを要求」してきたからだ。問題となったのは、たかじんの2つの金庫の中にあった現金に関する部分だった。さくら夫人は金庫の1つは自分用のもので、その中の1億8000万円は自分のものだと主張しているのだが、これについて、インタビューで話した内容とはまったく別の内容にするよう、申し入れてきたのだという。
実際、「週刊新潮」に掲載されたさくら夫人の主張は支離滅裂、何をいっているのかさっぱり分からない内容だった。
「私と主人は業務委託契約書をかわしていましたが、それはただの書類に過ぎず、私は1円ももらっていません。一方、2人の生活費として主人はいくばくかの現金を私に渡していて、私がやりくりする中で余った分は、100万円ずつまとめてリボンにくるみ、主人が私の金庫に入れておいてくれたのです」
「宝島」では、この1億8000万円はさくら夫人が是が非でも欲しいキモ的な現金だと解説されている。インタビューでは自分の主張と矛盾した証言をしてしまったため、慌てて訂正を要求してきたのではないかと推察。「新潮」としても、その言い分がまったく整合性がないことをわかっていながら、いいなりになるしかなかった、と見ている。